福井の山   荒島岳1523m) 

                    
2020年10月31日(土)晴れ

  駐車場(6:45)→登山口(7:30)→白山ベンチ(8:10)→シャクナゲ平
 (8:55〜9:00)→中荒島岳(9:50)→荒島岳(10:05〜45)→中荒島岳
 (10:55)→シャクナゲ平→(11:35)→白山ベンチ(12:15)→登山口
 (15:35)→駐車場(13:20)

  雲一つない晴天とは今日のような日のことを言うのだろう。本当は昨日登るつもりだったが1日延ばして正解だった。早朝5時半に家を出たが、土曜日とあって駐車場は満員であった。これからドンドン到着する車は駐車に苦労するだろう。
 この山は福井県の百名山ではあるが、僕にとって因縁の山で登った気がしていなかった。と言うのは、1回目は途中で引き返し、2回目は体調が悪く苦しい思いをして頂上にたどり着き、3回目は佐開コースからショートカットして登ったからだ。メインコースからきちんと登りたいと思っていたが、行程の長さと急登にためらっていたのだ。
 最初は昔のスキー場の舗装路を歩く。直線の急勾配なので心臓が阿打つ。ここを歩くつらい気分を和んでもらおうと桜の植樹がされている。雑草が生い茂っていて往時の面影はないが、春になれば美しい桜の花元気づけられるのだろう。
 スキー場が終わると登山口の標柱が現れる。それでは今までの道は何だったんだろうと思ってしまうが、スキー場が短い草でおおわれていた頃はここから登山道が始まると言っても違和感はなかったのだろう。ここから少し進めば、見事なブナ林が始まる。見上げれば、太陽の光に紅葉が輝いている。樹木にできたコブが仏様のような優しい顔に見える。やがて白山の展望が望める「白山ベンチ」という所に出る。冠雪した白山は神々しかったが、少し枝に邪魔されていた。昔はきっと全貌が望まれたのだろうが、木が成長してしまったのだろう。
 シャクナゲ平に至るまでが、この行程で一番苦しかった。見上げても見上げても急登が続いていた。足元を見ながら一歩ずつ距離を稼ぐほかにやるべきことは無かった。シャクナゲ平からはいったん下り、登り返すと「もちがかべ」の急登が始まる。「滑落注意!」の標識がいやでも緊張を誘う。確かに鎖やロープが張られた急登が何カ所か現れたが、距離が短いのでそれほど苦しくはなかった。振り返れば小荒島岳や大野の平野が見える。白山や経ヶ岳は左手に何度も現れる。
 前荒島岳からは眼前の中荒島岳に立つ案内板が見え、その先に荒島岳の頂上部がそびえている。登り返しが苦しかったが、あっけなく頂上に到着する。すでに20人ほどの人でごった返していた。きれいな方位版も設置されており電波塔があった昔と様変わりしていた。白山は一段と高くそびえ、御嶽山や乗鞍岳も大きく見えていた。

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