福井の山  冠岳838mm) 

                  
2020年2月24日(月) 晴れ

  駐車場(9:35)→冠岳(10:35〜11:15)→ツツジ原(11:40)→駐車場(12:20)

前日から晴れだと分かっていたので、浄法寺山に登ることにしていた。気力があれば丈競山まで足を延ばすつもりだった。駐車場に着くと、一台の車も止まっていない。他の山にした方がいいかなと考えていると、白いプリウスが入ってきた。福井市の人で僕と同じ考えであった。違っていたのはその人はアイゼンとかんじきを持ってきていたことだ。ちょっと大げさだなと内心思いながら、急登の「冠岳コース」を歩き始めた。
 急登は覚悟の上だったが、どこまでも続く階段には閉口した。しかし、ゆっくり自分のペースで登って行けば何とか高度を稼ぐことができた。問題はロープが現れてからであった。ロープにつかまらないとひっくり返りそうな急坂が頂上直下まで続いた。
 何とか稜線に出ると、急に30センチほどの積雪が現れた。しかも誰も歩いた様子が無く、展望台方面には鹿の足跡があっただけだ。重い雪に足を取られながら展望台に行く。何度見ても、ここから下を覗くと鳥になったように感じる。
 もう一人の人も追いついてきたが、展望台には来ず、直接冠岳の頂上に向かって行った。僕も続いたが、人の足跡をたどるというのは何と楽なことか。考えてみれば838mもあるのだから、これくらいの積雪は例年より少ないくらいだ。「かんじきを履いて先に行くから後についてくればいい」と勧められたが、僕はすでに戦意を喪失していて、「関谷コース」から降りることを考えていた。
 誰も歩いていない雪を踏みしめて歩き始めた。時々鹿の足跡やウサギの足跡が現れる。鹿は生い茂った笹の中から現れ、しばらく山道を歩き、反対側の茂みに消えて行った。ウサギは気まぐれで、行ったり戻ったり横切ったりして、何だか楽しそうに見える。
 つつじヶ原から降下すると急に雪が無くなってきた。思った以上に岩がゴロゴロした道だ。キャンプ場に戻って、ベンチでひとりインスタントラーメンを食べた。誰もいなく静かであったが、遠くで鳥のさえずりが聞こえてきたりして春の訪れを感じさせた。


    福井の山