コロナウィル スのおかげで外出が制限されている中、一抹の罪悪感を持って山に向かった。散歩がいいなら登山は問題ないはずだと理由をつけて。目標は昨年の今頃登った三里山だ。市内を歩いている人は少ないが、ほぼすべての人がマスクをつけている。マスクをつけて運転している人は8割ぐらいか。
花筐公園から少し登った琴弾山展望台駐車場には3台の車が駐車していた。駐車場のしだれ桜は満開。他のサクラは5分咲き位か。薄墨桜までの路には黄色いヤマブキが太陽に輝いていた。孫桜も薄墨桜も残念ながら葉桜になっていた。満開の時にぜひ来たいものだ。しかしこの時期沿道の様々な花が登山者を楽しませてくれる。キイチゴの白い花、小さなスミレ、タンポポなどが南三里山までに見られた。
南三里山からの眺めは抜群。右手大きく見えるのが前回登っ た鬼ヶ岳、左の方に目を移していくと敦賀の西方ヶ岳、野坂岳などが意外な近さにそびえている。そして最後が日野山がどっしりしたピラミダルな姿を見せている。
南三里山を過ぎても、最盛期を迎えているタムシバやミツバツツジが青空に映えている。ただ、今年のミツバツツジは花の形がそろっていず、色もくすんだようなピンクなのが残念だ。途中で山菜を採っている人に会った。今はコシアブラが旬のようだ。少し先にあるビューポイントからは三里山が美しい姿を見せていたが、まだかなり先である。
高源寺跡は広場になっているが、群落となっているショウジョウバカマが赤い花を咲かせていた。中新庄分岐から小さい山を一つ越、ようやく三里山への最後の登りだ。道はよく手入れされている。頂上に着くと反対の方から二人の男の子と父親が登ってきた。父親の方は見るからに疲れた様子で、「こんなに辛いとは思わなかった。これが最初で最後の山登りだ」と言いながらベンチに腰を下ろした。やがて昨年から山登りの楽しさにはまったという女性の二人連れや山菜取りの夫婦などがやってきて、とても賑やかな頂上となった。
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