No.64          月  山(1984m)

           平成12年10月9日(月) 曇りのち雨 
 8合目駐車場(6:00) → 仏生池小屋(7:20〜30) → 頂上(8:20〜35)
  → 仏生池小屋(9:15) → 8合目駐車場(10:15)

 前日の夜ホテルのフロントで月山への行き方を聞いたが、どうも余りよく知らないらしい。挙句の果てに「羽黒山の方がいいのではないですか」と言われる始末。僕らが月山を登るためにはるばるやってきたのがわかっていない。いずれにせよ、登山口まで2時間30分〜3時間かかるらしい。そこで急遽4時出発という強行軍になった。何しろ帰りの電車の時間が決まっているのだ。
 ホテルで教えてもらった「まっすぐ行けばいい」という道がT字の突き当たりになっており、早くも迷ってしまったが、案内板がわりとしっかりしており、途中からはスムーズに向かうことができた。「人に聞くより地図を見よ」ということもある。
 広々とした弥陀ヶ原の湿原の向こうにおだやかな山容の山がある。その右側に月山の頂上が頭を出していた。中央の堂々とした山はオモワシ山である。あれが月山の頂上だとみんなに思わせていたので、きっとそう名付けられたのだと推測される。いくつもの池塘が浮かぶ草紅葉の中、チシマギキョウが季節に取り残されたかのように咲いている。背丈の低いもみじは燃えるように赤い。
 立ち止まって下を見ると、緑黄赤が独特のコントラストを作り上げている。まさに紅葉は今が盛りである。
 仏生池小屋までと頑張ったが、予想以上に時間がかかる。小屋を過ぎるとようやくおだやかな山頂が見えてきた。それはダラダラした尾根の一番奥にあり、途中であった人は「結構時間がかかりますよ」とがっかりさせるようなことを言う。
 月山神社の奥宮小屋で「頂上はどこですか」と尋ねるが「このあたりじゃないですか」とあまり頂上に頓着していない。三角点のある頂上は石垣に囲まれた神社から少し戻った所にある。普通の人なら見逃してしまいそうな所だ。
 内陸の方を見ると、山々がずっと奥まで続いている。しかし、下で見えていた鳥海山の姿は無く、雨も降り出してきた。
 昨日は太陽と競争だったが、今日は時間との競争である。本格的に降り出してきた雨の中、一目散に下山する。上空ではあわただしくヘリコプターが石を運んでいた。きっと石畳にする石だろう。われわれが当たり前のように歩いている山道に、こんな風にして石を上げているのかと納得がいった。そして、山道を作る苦労の一端を垣間見ることができた。
 心配していた時間も結果的には余りすぎるほどあり、お土産を買う時間も充分あって、満足満足の東北の旅ではあった