福井の山   赤坂山(824m)

                    2024年6月8日 晴れ

  白谷林道通行止め地点(9:25)→黒河峠登山口(10:05〜15)→明王ノ禿(11:50)
 →赤坂山(12:15〜50)→明王ノ禿(13:10)→黒河峠登山口(14:30〜35)→
 白谷林道通行止め地点(15:05)

 何年かして、「もう一度登ってもいいかな」と思える山がある。そんな山の一つが赤坂山だ。どうして赤坂山なのかと考えてみた。何と言ってもサラサドウダンの群落だ。ゆらゆら揺れる赤い玉が突然頭をよぎることがある。そして独特な雰囲気を持つ明王ノ禿やそこから見る均整のとれた赤坂山だ。そんな赤坂山登山に3人の仲間が集まってくれた。
 福井県側から登れないことがわかっていたので、滋賀県の白谷林道を目指す。通行止めのバーがある手前の小さな駐車場はすでに満杯。仕方なく路肩に車を止める。ここから3,40分の林道歩きだ。昔は峠まで車が入ることができたのだが、通行止めは落石や道路の崩落を考えての事だろう。 峠の左手に小さな登山口がある。樹木に囲まれた登山道にはさわやかな風が渡っていて気持ちがいい。林道に出て、再び山道に入る所でOさんが誰かと話をしていて、その人が放糞したばかりの熊のフンを見たそうだ。今までのルンルン気分は一転して恐怖心に変わってしまった。鈴を鳴らし笛を吹いて慎重に足を進める。しかし、下山する人に聞くと、熊に会ってもいないしのフンも見ていないというので、少し安心する。
 サラサドウダンはなかなか現れないので、季節は終わったのかと心配したが、ポツポツ現れだし、すぐに鈴なりのサラサドウダンに何度もお目にかかることになる。やがて左手が切れて、雄大な山々とその先の琵琶湖が見え出した。このような景色を見ながら歩けるのもこの山の素敵な所だ。
 見上げれば荒々しく崩壊した明王ノ禿が見えてくる。明王ノ禿の頂上に登る道が、この行程で一番の急登であった。上部は崩落が続くので防護柵が作られているが、一部壊れていて近づくのは危険だ。それに立っているのが辛いほど強い風が吹いていた。ただ、明王ノ禿の降り口あたりから見る赤坂山は、ゆったりとした三角錐をしており感動的ですらあった。
  遠くに見えた赤坂山も、一歩一歩歩を進めれば、思っていたよりも早く頂上に立つことができた。小さく見える明王ノ禿から左に目を転じれば、やはりピラミダルな三国山が望める。頂上からの展望がない取るに足らない山だと思っていたが、ここから見ると堂々とした立派な山だ。ここにも強い風が吹いていたので、少し下がった斜面で昼食にした。
    福井の山