石川県の山   箱屋谷山(685m)

                    
2024年5月3日  晴れ

  医王山ビジターセンター(9:35)→箱屋谷山(10:40〜50)→地蔵峠(11:00)→
 大池平(11:35〜12:25)→三蛇ヶ滝(12:40)→三色泉(13:10)→医王山ビジターセンター
 (14:10)

 Tさんが半年ぶりに参加してくれることになり、彼の体調の事も考えて比較的登りやす山に行先を変更した。箱屋谷山は医王山の一角を占め、大池や滝など見どころが多い。この山には過去に2回登っているが、いずれもビジターセンターからの分岐を左に入る幹線園路ルートだったが、今回は右の直接箱屋谷山に向かうコースを歩くことにした。
 いきなりの長い階段が始まる。段差が高く息が上がる。それでもイワウチワやチゴユリなどが現れてホッとする。ようやく階段が終わると割と平坦な尾根歩きが始まる。新緑が美しく足取りも軽くなる。
 分岐を左に折れると5分で箱屋谷山の頂上だ。一角が開けており、右手に宝達山左奥に日本海が見える。今日は雲一つない青空で気持ちがいい。
 地蔵峠に降りる所の笹薮の中でごそごそ音がして笹が揺れている。声をかけても返事が無いので一瞬熊かと焦ったが、ネマガリダケのタケノコを採っていたおじいさんだった。地蔵峠にはお地蔵さんが安置され、4コースが合流する小さな広場になっていた。
 峠を過ぎるとエンレイソウが現れ、ついに待ちに待ったこの季節のハイライトとも言うべきサンカヨウが姿を現してきた。白い小さな花を咲かせたサンカヨウは大池平に着くまで何個所も群落を作っていて、そよ風に気持ちよさそうに揺れていた。
 大池平には休憩所があり、目の前に
大沼(おおいけ)、見上げれば鳶岩(とんびいわ)と素晴らしい景観を持った広場だ。沼の淵にミツガシワという花が咲いていた。そばにいた女性の説明によると、古代から生き残った珍しい花だそうだ。
 昼食後
(さん)(じゃ)ヶ滝に寄る。川床に降りるまでが意外と長く、傾斜がきついガレ場の道は閉口した。しかし滝は想像より迫力があり、豪快に飛沫がはねていた。尾根まで戻って、今度は三色(さんしょく)(せん)という小さな泉に寄る。季節と時間によって微妙に色が変わることから名づけられたそうだ。医王山の伏流水が湧き上がり透明な水の流れを作っている。
 帰路の途中に曲水探勝散策路を通る。木橋のかかる細く変化に富んだ山道は間違えて入ったものだが、結果的には貴重な体験となった。ツクバネソウやヒメシャガにも会え、楽しい山行となった。

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