泰澄が開山した越前禅定道は平泉寺から始まるが、法恩寺山を経て白山に至っていた。した がって平泉寺から登るのが正統であろうが、あまりにも長い。そこで今回スキージャム勝山の上部の林道から登ることにした。
知る人ぞ知る最奥の駐車場には2台の福井ナンバーの車があった。駐車場からほんの1,2分で避難小屋上部の本来の登山道と合流する。幅の広い段差のある階段が続く。短い木道を過ぎると石がゴロゴロした道に変わり歩きにくく、傾斜もあるので距離の割には長く感じる。花が無いから長く感じるのかなと思っているとイワカガミ、カタバミ、ミツバツツジ、ショウジョウバカマなどが現れてくる。
道がだんだん穏やかになり、前方に青空が見えてくると頂上だ。展望台と頂上を示す立派な標柱が立っている。途中の道標も充実していたし、この登山道はかなり整備が行き届いていると思ったが、残念ながら登山者は少ない。頂上からは白山や別山の大展望だ。右に目を転じれば経ヶ岳がいつもと違った姿を見せている。休む間もなく、隣の伏拝まで行ってみることにした。いったん下り緩やかに登り返す。沿道でミヤマカタバミの群落に出会えたのは感激だった。伏拝はベンチのあるちょっとした広場だが、ここから白山を遥拝したのだそうだ。
法恩寺山に戻って昼食を食べていると、京都からやってきたという女性が登ってきた。何と伏拝から祓川ま で往復してきたそうだ。帰路には大師山を周って帰ると言う。そのバイタリティーには大いに感服させられた。帰ろうとしていると5人組の東南アジア系の若者が登ってきた。とても登山をする格好ではなかったので、何もわからず思いつきでここまでやってきたのではないだろうかと勝手に想像した。
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