福井の山   経ヶ岳(1625m) 

                    2021年9月12日(日) 曇り

  林道登山口(8:20)→アダムとイブの木(8:50〜55)→保月山(9:20)→
 杓子ヶ岳(10:05〜10)→中岳(10:30)→切窓(10:45)→経ヶ岳
 (11:25〜12:10)→切窓(12:50)→中岳(13:10)→杓子ヶ岳
 (13:30)→保月山(14:15)→アダムとイブの木(14:35)→林道登山口
 (15:10)

 失礼な言い方で申し訳ないが、今回はIさんを経ヶ岳へ案内する登山である。Iさんは経ヶ岳に対して登る前から悪い想像をめぐらして、登るのをあきらめていたのだったが、杓子ヶ岳から見る中岳と経ヶ岳の雄大な姿を是非見てほしかったのだ。そして、いざ登ってみれば、事前に得ていた知識より登るのは簡単であることをわかってほしかったのだ。
 今回初めてYAMAPのナビを使ってみた。面倒そうだったので敬遠していたのだが、これも「案ずるより産むがやすし」であった。特に家にいる家内がリアルタイムで登っている場所を特定することができたり、下山のタイムを知ることができる機能には感心させられた。
 雨のために一日延ばしたのだが、天気予報に反して朝からどんよりとした曇りで、結局一日中太陽が出ることは無かった。しかし涼しく登ることができたので、結果的にはよかったのかもしれない。林道登山口の駐車場は増設されていたが、到着した時はほぼ満杯。さすが300名山に入っているからか、県外ナンバーの車が多い。
 最初は杉木立の中の暗い道を歩く。木立を抜けると、ごつごつと岩が出ていて少し歩きにくくなる。30分ほど歩くと「アダムとイブの木」が現れる。2本の違った木がからまりあっているので誰かがそう名付けたのであろうが、何となく気恥ずかしい。木立が一瞬途切れて杓子ヶ岳の稜線が見えるが、かなり高くにそびえている。経ヶ岳はその奥だ。
 保月山からは大野方面が少し見えるだけで、見晴らしは無い。花は無いと思っていたが、割と広範囲にわたってツリフネソウやアキノキリンソウ、カライトソウなどが見られた。さらに上部にはやオヤマリンドウが紫のきれいな花を咲かせていた。
 恐れていた岩稜歩きはあっという間だった。昔は岩の端をまわるスリルのある道だったと思うが、道がつけ変えられたのか
(なら)されたのか不思議な感じがした。いずれにしろ第一関門突破だ。そこから杓子ヶ岳に至る道は階段交じりの険しい道だ。急登に息を弾ませて、やっとの思いで杓子ヶ岳に着く。赤い実をつけたナナカマドの木に杓子ヶ岳の名がついた標識が下がっている。少し下がった所から見る中岳と経ヶ岳の姿が一番好きだ。木が全く生えていない笹原が中岳まで続き、その右手に経ヶ岳が堂々とした姿を見せている。ほとんど勾配が無いので、中岳まではルンルン気分で歩ける。
 中岳からは一気に下る。長い立派な階段がつけられていたが、これも以前は無かったものだ。最下部の切窓と言われている所から第二関門の頂上への急登が始まる。最初は背丈ほどもある笹をかき分けて進む。足元はぬかるんでいて滑りやすい。最後の所でニセ頂上に騙されて落胆した場面もあったが、何とか頂上に到達した。苦しい思いをしただけに、頂上に着いた時は何とも言えぬ達成感を味わうことができた。

  


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