福井県の山   鷲ヶ岳(769m)

            2024年6月29日 晴れ時々曇り

    白山神社駐車場(9:10)→林道出合(10:05)→林道終点(10:40)→鷲ヶ岳
   (11:30〜12:20)→林道終点(12:55)→林道出合(13:25)→
   白山神社駐車場(14:10)

 梅雨のたった一日の晴れ間だった。前々日までは雨の予報だったので本当にラッキーだった。伊地知(いじち)集落の登山口には立派な駐車場が作られていて、15年前に登った時とは様変わりしていた。近くには合歓の大木があり、きれいな花を咲かせていた。
 始めは緩やかな林道歩きだが、やがて狭い山道に変わり傾斜がきつくなってくる。赤土なので、日陰の湿った所は滑りやすい。帰りのことを考えると恐怖が頭をかすめる。林道に出る前の大岩の前に「馬の蹄跡」と書かれた標識があった。岩の表面にひづめと思わしきものが見えたが、それが名前の由来なのかはわからない。
 ひょいと林道に出る。雑草におおわれていて最近は使われた様子はない。途中に動物の糞が落ちていて、それが熊の物かと考え、急に笛を吹いたり鈴を鳴らしたりした。でも実際は何の糞だったのかは不明のままだ。一カ所開けた所があり、そこからは伊地知の集落方面がはっきりと見えた。この山は開けた所がほとんどないので少しフラストレーションを感じるが、その分若葉の緑が美しく、日陰に渡る風がさわやかだった。
 林道が終わると稜線上の山道に変わる。途中の林の切れ間から白山が見えるはずだったが今日はガスがかかっていて見えない。痩せ尾根のアップダウンが続き、疲れた体にはかなりこたえる。やがて前方に空が見えてきて、最後の階段を登れば頂上だ。平坦地にはかつて城が築かれていたという。南北朝時代、畑時能の最後の戦いが行われた「
伊地(いづち)山」は鷲ヶ岳と考えられているようだ。中央あたりに「畑将軍戦死之地」と刻まれた立派な石碑が建っている。
  残念ながら視界は無く、頂上からの景色はあきらめなければならなかった。しかし昼食後霧が晴れだし、眼下に集落や蛇行した九頭竜川が見えだした。左手には浄法寺山の連なりがはっきりと見えだした。帰路、ムラサキシキブ、オカトラノオ、ミツバツツジなどの花を愛でながら楽しく下山した。

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