平成26年 第2回  グリュッククラブ   能郷白山1617.3m) 

              平成26年6月15日(日) 晴れ

   温見峠登山口(10:05)→能郷白山(12:30〜14:00)→温見峠登山口(16:00)

 夏の白山登山の訓練も兼ねて、少し登りがいのある能郷白山を選んだ。中部縦貫道路が一部開通して、家から大野までがとても近くなった。コンビニで買い損ねてあきらめかけていたビールを、トイレ休憩で立ち寄った麻那姫湖青少年旅行村の管理棟で買うことができて、一同大喜び。国道とは名ばかりの狭い曲がりくねった道を進んでいくと、登山口のある峠にはたくさんの車が路駐していた。それもほとんどが県外ナンバーだ。さすが200名山だけのことはある。
 
ある程度の急登は覚悟していたものの、女性群にとってはかなりハードであったようで、いつもパチパチ写真を撮るYちゃんもそこまでの元気がない。青空に青葉が映えてきれいだが、ただ下を向いて足を運ぶのみ。「もう少しで終わるよ」と励ます急登もなかなか終わらない。折しもサッカーのワールドカップ、初戦のコートジボワール戦。前半の1点のリードで期待していただけに、後半逆転されてますます意気が上がらない。ようやく樹林帯を抜けて振り返れば、姥ヶ岳が大きくそびえている。
 
1492mのピークを過ぎるとなだらかな尾根道に変わるが、目指す能郷白山の頂はかなり遠くに見える。ここは女性群には教えない方が賢明とだんまりを決め込む。サンヨウカ、ゴゼンタチバナ、イワカガミなどが現れるが、のんびりと鑑賞するほど元気が出ない。雪で押しつぶされて異様な曲がり方をしている木をまたいだり、くぐったりして広い尾根道に出る。ウグイスの鳴き声が大きく響く。
 
なだらかな頂上部には意外とあっさり到着した。頂上を示す標柱と三角点がある。灌木に囲まれていて展望はないがここで昼食にしようとリュックを下ろしたとき、がさがさと音がして、「おなかの調子が悪かったので」と若者が藪の中から出てきた。「道理で変なにおいがした」と誰かがつぶやいたりして、もうここでは食べる気がしなくなり、もう一方のピークである岐阜県側にある権現社に向かう。
 
権現社の周りにはたくさんの人が見えたので、手前の少し広くなった草原で昼食にした。前方に奥深い岐阜の山々。「スイスにいるみたい」と誰かが叫ぶ。高山だからか、今頃カタクリの花が咲いている。そして心地よい風と野鳥のさえずり、ここまで苦労して来ただけの価値はある。
 
帰りも苦労して降りたが、大野で風呂に入りビールで乾杯して美味しい夕食を食べたころには、つらかった登山が楽しい思い出に変わりかけていた。