ハワイ島トレッキングの旅  2008年

7月24日(木)
 晴れ
 午後2時前に家を出て、ガソリンを入れてWさんを迎えに行き、武生のT夫妻の家には予定通り3時に到着する。一宮ICから名古屋高速に入り、中部国際空港の手前のPAできしめんを食べる。
7月24日(木)
 晴れ

 時差の関係でまだ24日だ。予定通りホノルルに到着し、隣のビルからハワイアン航空でハワイ島へ向かう。飛行機はオアフ島には出かけないわれわれにサービスしてくれているかのように、ワイキキの海岸やダイヤモンドヘッドを上空から見せてくれた。モロカイ島やマウイ島が見えた。オアフ島からこんなに近いところにあるとは思いもしなかった。マウイ島上空では、雲海から突き出ているハレアカラ山の赤茶けた頂上がよく見えて感激だった。


ハレアカラ山

 ヒロ空港でレンタカーを借りて両替と買い物のためにまずはウォルマートへ。両替は銀行でしかできないことがわかり、今日の買い物はカードで支払いをする。
 予定通り「アカカの滝」へ向かう。駐車場から手すりの着いたよいトレイルが続いている。両側には南国特有の花々や背の高い木が生えていて、植物園にいるみたいだった。最初にカフナ滝、しばらくしてアカカ滝が現れた。工事中のためか一周はできなかったが30分で元の駐車場に戻ってきた。けっこう落差があり、すごい水量で迫力があった。
 いったんチェックインして6時頃夕食にヒロの街に出た。西部劇に出てきそうなひなびた街だ。今日は中華にした。中華では今まではずれたことは無かったのに、今日はスープ以外はいまいちだった。味付けが甘すぎるのだ。

7月25日(金)
晴れ

天文台(6:45)→マウナ・ケア(7:00〜15)→天文台(7:25)

 1日中鳥が鳴いていてうるさかった。でも朝はさわやかだった。このホテルはコーヒーとちょっとした果物やマフィンを出してくれるのでありがたい。朝一番に市の郊外にある「レインボー滝」を訪れる。高さ15メートルほどだが水量が多く滝壺近くに虹が見られることで有名だ。幸運なことにしっかり虹を見ることができた。
 そこから11号線に出て「ラバ・ツリー州立公園」に行く。9時10分に歩き始める。公園には溶岩樹型群がある。溶岩樹型とは溶岩が木にぶつかった際、溶岩は固まり始めるが木はすぐ燃えるので内部が木の形で空洞となった溶岩である。中を覗くと確かに木の形の穴ができている。外観は土の中から盛り上がってきたように見える。昔オーストラリアで見た蟻塚のようにも見えるし、石仏のようにも見えた。
 30分でまわってしまったので、明日の下見を兼ねて「ハワイ火山国立公園」を訪れることにした。入口で車1台につき10$の入園料を払ってまず「キラウエア・ビジターセンター」へ行く。ここには国立公園の資料をもらい、火山活動の歴史を伝えているパネルなどを鑑賞した。1時間に1回火山活動を記録した映画も上映している。赤い溶岩が海の中に湯気を上げて流れる様は圧巻であった。昔はキラウエア・カルデラを一周できたのに、今は右回りは「チェーン・オブ・クレーターズ・ロード」の入口まで、左回りは「ジャガー博物館」までしか行けない。博物館のテラスから見たハレマウマウ火口から登る白い噴煙はハワイ島の火山を象徴していた。
 「ボルケーノー・ハウス」で昼食。レストランからはキラウエア・カルデラとハレマウマウ火口が一望できるすばらしいロケーションにあった。2時頃ホテルに戻る。
 3時20分に迎えが来て、この旅のハイライトである「マウナ・ケア山頂と星空観測ツアー」に参加する。最初はレンタカーで登ろうと思っていたが、大変そうなのでツアーに参加することにしたのだ。しかしツアーはたいていコナ地区が出発点となっており、ヒロ発のツアーを探すのに苦労した。しかも距離は近いのに料金は割高である。これは本来のツアーに合流するために、ヒロからの送迎バスが追加されるので仕方のないことだと後でわかった。われわれ4人にコナ地区から参加の4人を加え、まずは広大な溶岩の上を歩いた。泥流が固まったように見えるが歩いてみると硬い岩である。これが赤土になるのには500年くらいかかるそうだ。
 次に、マイクロバスは標高2800mの所にある「オニズカ・ビジターセンター」に向かった。センターはすでに他のツアー客や家族連れでにぎわっていた。高山病の予防のためにここで1時間ほど滞在するのだ。日本食の弁当とみそ汁で早めの夕食。
 5時40分、頂上に向かって出発。天文台がたくさん並んでいるところでバスを降り、最高峰に向かって歩き始める。いったん下って登り返すのだが、その時呼吸が苦しくなり、肺のあたりが痛かった。これこそが4,000m級の山である証拠だ。たった15分の登りであったが、息も絶え絶えに頂上に到達した。頂上には頂上を示すポールと祭壇があった。祭壇の前で思わずバンザイと叫んでしまう。頂上で休んでいると体はすっかり元に戻り、まわりを観察する余裕も出てきた。雲海の向こうにやはり400m級の山であるマウナ・ロアや隣の島にあるマウイ島のハレアカラやコナの近くのフアラライ山などが、手に取るように見えた。そして自分が立っているマウナ・ケアの影が雲海の上に長く伸びていた。あっと言う間に太陽は沈んでいったが、山頂から見る夕陽はとても荘厳な雰囲気をかもし出していた。
 「オニズカ・ビジターセンター」の少し下がった所で星空の観察が始まった。レザー・ビームで星を示してくれるのでとてもわかりやすい。天の川が煙のように星にまとわりついていた。サソリや獅子もこれがしっぽでこれが胴体とか指し示されると不思議にイメージできてしまい、天体にうとい僕でも充分楽しめた。ホテルに戻ったら11時を過ぎていた。
7月26日(土) 
晴れ

  @    キラウエア・イキ展望台(8:35)→クレーターに下りた地点(9:20)→クレーターの対岸(9:55〜10:05)→溶岩トンネル(10:30〜45)→キラウエア・イキ展望台(10:55)
A    ナパウ・トレイル駐車場(12:25)→プウ・フル・フル展望台(13:05〜15)→分岐からクレーターを歩く(13:25〜13:55)→ナパウ・トレイル駐車場(14:30)

 7時半にホテルを出発して再び「ハワイ火山国立公園」を目指す。国道沿いからマウナ・ケアがはっきりと見え、頂上の白い天文台まで見えた。昨日はあそこにいたかと思うと何だか変な気持ちだ。キラウエア・イキ展望台に車をおいて、反時計回りに歩き始める。キラウエア・イキのイキは小さいという意味で、巨大なキラウエア火口に対して小さい火口という意味であろう。しかし、展望台から見るイキ火口も近くから見るとなかなかのスケールだ。今日はマラソンの大会があるらしく、ゼッケンをつけた人が足慣らしをしている。
 しばらくはクレーターの縁を歩くが、シダ類が生い茂る気持ちのいい道だ。時々左手にキラウエア・イキ火口が顔を見せる。まるでブルドーザーでならしたかのようにきれいな表面である。その真ん中に白いトレイルが見える。
 3分の1周ほどすると火口に下りていく。縁の方の溶岩は荒々しくごつごつしていて、水蒸気が出ている所もある。やがてなめらかになるが、想像していたよりも固い。死んだような溶岩平原にも、近づいてみれば赤い実を付けた幼木が根付いていてたくましい。
 対岸に着くと登り返すが、それほど急ではない。道路まで上がると、そこは「溶岩トンネル」の駐車場だったので、ついでに見学する。手すりのついた階段を下りていくと溶岩でできたトンネルがある。一見鍾乳洞のようでもあるが、あんなに美しくはない。よく見ると天井から髭のような根がたれている。もと来た道をたどり、駐車場から10分でキラウエア・イキ展望台に戻ることができた。
 再び「ボルケーノー・ハウス」で昼食。ここのホットドックがおいしかった。ゆっくり休憩して「チェーン・オブ・クレーターズ・ロード」に入り、「ナパル・トレイル」の駐車場に入る。
 右手に新しいごつごつした溶岩を見ながら、なめらかな溶岩の上を歩き始める。いきなり、日本の団体にあった。子どもとお母さんのグループだった。「親と子のなんとか教室」というツアーだろうと勝手に想像したが、本当のことは分からない。時々残っている森はその場所だけ溶岩が流れなかったのだろう。

プウ・オー・オー
「ラバ・ツリー州立公園」で見た溶岩樹型がここにも見られ、その形が熊のようであったり、鮫のようであったり、はたまたカメラを構えた人のようであったりした。日本だったらそれぞれの岩にとっくに名前が付いているだろ。右手にマウナ・ウルのなだらかな丘。正面に緑の小さな山が見えてくる。まさかと思ったがそれが目標である「プウ・フル・フル展望台」であった。展望台からは白い噴煙を上げ、今も活発な火山活動を続けているプウ・オー・オーが、北にはキラウエアの噴煙が手に取るように見えた。
 予定より到着が早かったので、分岐から他のクレーターに向かって歩いてみた。15分ほど歩いたが、ケルンが延々と続いていたので時間のこともあり途中から引き返すことにした。しかしそこで見た地面を箒で掃いたような生々しい溶岩流はとても印象的であった。
 駐車場に戻り「チェーン・オブ・クレーターズ・ロード」を下っていった。周りは見渡す限りの溶岩の広野であり、海まで流れ込んでいた。どんどん山を下り、道は行き止まりになっており、車を止めて歩く。30分ほど歩くと溶岩が道路を横切っている所に出る。そこにあったビジターセンターは1989年7月に消滅したそうだ。次々と襲ってくる真っ赤な溶岩を想像すると、その生々しさに寒気がするほどであった。溶岩の上を少し歩くと、白い水蒸気が上がっているのが見える。溶岩が海に流れ込んでいるのだろうか。
7月27日(日) 
晴れ
 今日はスケジュールが混んでいるので6時40分にホテルを出た。ワイピオ渓谷の展望台には意外にも早く着く。展望台からの眺めは息を飲むほど美しい。黒砂の海岸を挟んで緑の断崖が対岸にそびえている。谷に下りる道は1車線分しかなく、しかも想像を絶する急勾配なので4WD以外は下りられないので歩くことにした。しばらく歩くと、Wさんが「車をとってくる」と言って戻っていった。帰りのことを考えると大変ありがたかったが、いざ乗ってみるとあまりのスリルに生きた心地がしなかった。
 平地に出て車を降り歩き始めたが、途中川をよこぎるので僕らは全員サンダル履きだ。やがてタロイモ畑が現れてきたが、ガイドブックには右手と書いてあるのに現れたのは左手であった。道を間違えたのかと思い引き返してちょうどであった地元の人に聞くと「ここは私有地だから出ていきなさい」と言っている。案内は一切ないし、どうもトレイルとしては認められていないようだ。仕方なく戻ることにして、車で海岸に出てみることにした。そこまでの道も平地ではあったがでこぼこが多くひどいものであった。海岸では若者がサーフィンや釣りをしていた。
 Wさんがハンドルごと後にひっくり返るのではないかと感じたほど急な恐怖の坂を無事登り終え、一路カメハメハ大王の像を目指す。ワイメアから250号線に入るが、それは左下に海岸線が見え、緑の牧場の中を走る快適な道だった。カメハメハ大王の銅像は、生誕地として知られるカバアウの地方裁判所前にひっそりと立っており、一度通り過ぎてしまったほどである。カメハメハ大王の像と言えばホノルルのが有名であるが、実はこちらが第1号である。
 隣町のハヴィでサンドイッチの昼食。その時食べたアイスクリームがやけにおいしかった。時間ができたので、270号線から19号線を南下しワイコロア・ビーチ・リゾートにある「キングズ・ショップス」に寄る。ブランド品や高級ショップが多く、われわれには余り買う物がなかった。帰りに先日のツアーで一緒になった女の子が滞在していたという「ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」を外から眺めた。なにしろ、亀や魚と一緒に泳ぐプールまであるそうだ。
 Wさんの意志でハワイ島を一周することになった。途中で一個所休憩しただけで割と早くヒロに戻ってくることができた。ヒロの北端にある庭園の中のレストランで夕食を食べる。ハワイアンの演奏とフラダンスが行われ、ハワイ最後の夜にふさわしかった。おまけに海岸からは夕陽に輝くマウナ・ケア山が見え、明日帰るわれわれに大サービスをしてくれているようだった。
7月28日(月) 
晴れ
  昨日予習をしてあったので、空港で手際よくレンタカーを返すことができた。4日間たくましく働いてくれた4WDだ。ヒロ空港はゆったりとしたスペースがとられ

活躍したレンタカー
ていて南国ムードが漂っている。一部を除いて冷房が無く窓もない。我々が滞在したホテルにも冷房はなかったが、特に不便は感じなかった。湿気が少ないし最高温度もそれほど上がらないのでとても過ごしやすい。「夏にハワイなんて」と言う人もいたが、実は「夏こそハワイ」なのかも知れない。
7月29日(火)
晴れ 
 映画を見てよく眠ったせいか、行きよりも早く感じた。中部国際空港に着いて飛行機から一歩足を踏み出すと、ねっとりとした暑さがまとわりついてきた。ハワイとの違いを肌で感じた瞬間だ。ハワイはやっぱり夢の島だったな。