N.47           武 尊 山(2158m) 

                平成11年9月25日(日)   晴れ    

  裏見ノ滝入口(5:50)→ 武尊林道終点(朝食6:35〜55) → 手小屋沢避難小屋
  (7:50〜55) → 武尊山(9:30〜10:05) → 手小屋沢避難小屋
  (11:25) → 武尊林道終点(12:10) → 裏見ノ滝入口(12:50) 

  前日の夜に裏見ノ滝入口の駐車場まで入ったが、「クマ出没注意」の看板に恐れをなして宝台樹キャンプ場まで戻る。静かな山の中で、ここだけ別世界のようにキャンパーでにぎわっていた。
 山名は日本武尊にちなんで名付けられたと言われ、歴史ある山岳信仰の山である。武尊神社に登山の無事を祈願して林道を歩き始める。道幅が広く、結構しっかりした道である。林道の終点から剣ケ峰山に続く道を見送り、左の山道に入って行く。カラマツ、ダケカンバ、ブナなどの大木が現れ、少し色づき始めている。つづら折りの急登を「ハアハア」言いながら登っていくと、やがて尾根に出る。
 「手小屋沢避難小屋」の標識に立ち止まって小屋を探すがそれらしい物はない。左下奥の木々の間にトタン屋根が見える。下まで降りてまで確認はしなかったが、人が数人泊まれ程度の“本当の“避難小屋だった。
 鎖やロープがついた岩場は二回ある。一回目の岩場を登り切った所から下を見下ろすと、宝台樹キャンプ場がかなり向こうに見える。「朝はあすこにいたのだ」と思うと人間の一歩一歩は本当に偉大である。二回目の岩場は横幅が広く、手掛かりに苦労した。帰りが大変そうだった。       
 前方の木々の間に、ようやく頂上が姿を表わしてきた。右手には剣ケ峰山がみごとな円錐型を見せている。それは「緑のマッターホルン」とでも言えるかもしれない。     
 最後のひと登りであっという間に頂上に着いた。小さな広場に立ってぐるっと見回せば360度の大展望だ。奥白根山、皇海山、富士山、谷川連峰、振り向けば至仏山と燧岳が手が届きそうな所にある。また足元右を見れば、中ノ岳、家ノ串、前武尊が川場の方に屏風のように続いている。
 帰りも同じ道を通ったが、林道から仰ぎ見た武尊山は一段と美しく、思わず足を止めてしばらく見 入ってしまった。

       

     頂上から見た中の岳、家の串、剣ガ峰         林道から見た武尊山