No.31              石 鎚 山(天狗岳1982m) 

                平成11年5月3日(月)  晴れ

    土小屋(6:20) → 二ノ鎖小屋(7:55〜8:00) → 弥山(8:40) → 
    天狗岳(9:05〜10) → 弥山(9:25〜40) → 二ノ鎖小屋(10:00) 
    → 土小屋(11:15)

  昨日四国のど真ん中を通り、何度か迷いながら暗くなってか土小屋に着いた。真っ白いシーツの布団の上で寝ることが、こんなに有り難くそして気持ちがいいものだとは思わなかった。     
 ぐっすり眠ったし空は快晴。これ以上の気分はない。宿のベランダからは早くも石鎚山の頂上が顔を出している。
 目標の山頂を見ながら登れるのはなかなかいいものである。当然ながらだんだん大きくなっていき、姿も変化していく。
 二ノ鎖小屋は表参道コースとの合流地点であり、鎖場の始まりである。鎖は65メートル。ほぼ垂直にのびている。意を決して登り始める。慣れてくると最初の恐怖心は薄らいできたが、二ノ鎖の終わった所から下を見て、「よくこんな所を登ってきたな。」と思うと、また恐怖心がよみがえってきた。       
 三ノ鎖の最初の部分は最悪だった。鎖が宙に浮いているのだ。ふらふら揺れてひどく安定性に欠け、緊張のあまり必要以上に腕に力が入り、進むことも戻ることもできず、冷や汗が流れた。
 祠のある弥三の鎖にてR山山頂に着いた時は緊張感から解放され脱力感でいっぱいだった。が、一服する間もなく最高峰である天狗岳を目指した。足場の悪い岩を登ったり下ったりしながらようやく頂上にたどり着いて、岩の上で思わずバンザイをする。
 上空には遭難者を捜索するヘリコプターが舞っていて、さかんに遭難者の名を呼んでいた。対岸には昨日迷い込んだ瓶ケ森のなだらかな草原が見える。 
 下りは巻き道を通ったので、ゆったりとした気分で歩けた。折しもしまなみ海道の開通で四国は大渋滞。名神も混んでいるという情報だったので、舞鶴自動車道を通って小浜回りで帰ったら意外と早く家に着く事ができた。