No.74      常念岳(2857m)

                平成13年7月8日(日)    晴れ 
  駐車場(4:35) → 三股(4:50) → 蝶ヶ岳迂回路(5:10) → 
  常念岳⇔三股の表示地点(7:00〜05) → 前常念岳(8:50〜55) 
  → 常念岳頂上(9:50〜10:25) → 前常念岳(11:15) → 
  常念岳⇔三股の表示地点(12:40) → 蝶ヶ岳迂回路(14:20) 
  → 三股(14:40) → 駐車場(14:55)

 いつもながら登山口の駐車場に着けるかが大問題である。標識が完備している場合はありがたいが、全くない場合もある。今回も右往左往したが、M先生の「登っています百名山」がとても参考になった。「ほりでーゆー」という具体的な名前が目印になってわりと簡単に見つけることができた。18:15三股の駐車場にはいる。梅雨の合間というのに、ラジオでは明日の降水確率は0%といっている。ラッキーだ。
 19:30〜4:20までグッスリ寝る。太陽が沈むとともに寝て夜明けとともに起きる・・・・なんて健康な生活だろう。4:35出発。舗装していない車道をしばらく行くとシーズンなら登山客で賑わっていそうな登山口に着いた。鉄の橋を渡るとすぐ蝶ヶ岳と常念岳の分岐点があり、三股という名前はここからついたらしい。
 そこから約3時間、原生林の中をひたすら登る。青空が木立の間からチラチラ見えるが、うっそうとして薄暗い。ひたすら足元を見ながら高度をかせぐ。つらかった昨年の聖岳の登りを思い出してしまう。
 「常念岳へ4.1km⇔三股へ3.1km」と書いてある地点に来る。先の長さにうんざりする。しかし緩やかな傾斜の尾根道だったので楽しく歩く事ができた。
 やがて森林限界に来ると抑えられていた重石がとれたように頭上が明るくなった。目の前にはどっしりした前常念岳が姿を現してきた。まず、この山を越えなければならない。歩きにくいゴロゴロした岩の道である。頂上に近づくとその岩が大きくなってくる。直下には石で作られた避難小屋があった。中を覗くと板が敷いてあり、10人くらいは寝られそうだ。なんと「大正5年建立」と書いてあった。
 しばらく行くとやっと目指す常念岳の頂上が見えてきた。左手奥には穂高連峰が顔を出し始めた。道は岩場からハエマツの気持ちのいい尾根道に変わってきた。頂上にいる人の姿も肉眼で見える。頂上への最後のガレ場に取り付く。反対側の常念小屋から大勢の人が登ってくる。
 頂上からは期待通りの大展望が開けていた。ここは槍ヶ岳と穂高岳を見る特等席だ。こんなに近くでこれらの山々を見たのは初めてだ。槍は端正な三角錐で、今までいろいろな方角から見たが一番バランスがとれているように見える。圧倒的な迫力にしばし無言であった。
 帰り、前常念岳を過ぎた当たりで雷鳥を見た。3メートルくらいの所にいて、何かを一生懸命つついている。逃げようとしないのはどうしてなのか不思議だった。まだ成鳥になっておらず警戒心が薄かったのかもしれない。
 森林の中に入ると気になっていた右膝が痛み出した。終りの方ではびっこをひくような形になってしまった。情けない事この上ない。やっぱり10時間以上歩くということは大変なことだ。翌朝痛みがすっかり退いたので一安心ではあったが。