日本百名山      常念岳2857m

             2023年8月24日 曇り時々雨 25日晴れ

  @ 一ノ沢登山口(7:00)→王滝(8:05)→笠原沢(9:15)→胸突八丁
  (10:05)→最終水場(10:35)→常念小屋(11:50)

  A 常念小屋(5:50)→常念岳(7:20〜50)→常念小屋(8:50)→
  最終水場(9:40)→胸突八丁(10:05)→笠原沢(10:40)→王滝(11:45)
  →ノ沢登山口(12:50)

 @ 車での単独遠出はこれが最後になってしまった。年齢的なものもあり、家族の心配を無視することができなくなったのだ。そこで、最後の山として選んだのが常念岳だ。常念岳には、三俣から日帰りしたのと蝶ヶ岳から縦走したのと2回頂上を踏んでいるが、頂上から見た圧倒的な眺望が忘れられなかったのだ。
 越中境PAで寝て、4時過ぎ一ノ沢登山口に向かう。登山口までは駐車場から20分ほど離れており、途中に止めてある車を恨めしく思いながら歩く。林道終点のトイレのある広場から中部山岳国立公園が始まる。
 鳥居とトチの大木のある山の神までは15分ほど。あとは一ノ沢に沿って、つかず離れず歩いて行く。水場は至る所にあり、水の心配はいらない。しかし、ガスが深く立ち込め周りが全然見えなくなる。おまけに小雨まで振り出した。雨の中の山行は一気に情けない気分になるが、沿道のトリカブト、センジュガンピ、イトシャジン、サラシナショウマなどの花々が慰めてくれる。
 木道を渡り胸突き八丁から急登が始まる。最終水場は思ったより水量の少ないので、給水するのは順番待ちであった。すぐ横の沢には勢いよく水が流れており、何人かの人が岩の上で休んでいた。常念乗越までは危険な個所も多く、疲労も重なって随分長く感じた。本当なら乗越から見えるはずの槍穂高連峰も今日は姿を現してくれなかった。

A 分からないうちに太陽が出てしまったのは残念だったが、今日は絵に描いた様な青空。常念岳が太陽に輝いている。赤い常念小屋の上に槍穂高連峰もはっきり見える。ガラガラと崩れ落ちそうな山道を歩き始める。少し息が苦しいが、マイペースでゆっくり高度を稼いでいく。久しぶりに見るトウヤクリンドウがいくつかの群落を作っていた。頂上と思われた先に本当の頂上があったのには少しがっかりしたが、はやる気持ちを抑えて、緩くなってきた勾配を登って行く。
 頂上の岩山では、何人かの人たちが写真を撮ったり山名を言い合ったりしていた。もう一度見たかった槍穂高連峰がまさに眼前にあった。360度の大展望とはよく言われるが、ここほどその表現に適した場所は無いであろう。ざっと肉眼で見ただけでも、妙高山、白馬岳、燕岳、大天井岳、立山、剱岳、槍ヶ岳、穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山、甲斐駒岳、富士山、八ツ岳などが同定できた。まさに至福の時であった。