長崎鼻より見た開聞岳
まさか飛行機で山に登るとは思わなかった。
前日の夜レンタカーで鹿児島空港から市内に入り、朝8時ホテルを出る。近道のつもりで指宿スカイライン
を通ったが、山の上なのでアップダウンは激しいし曲がりくねった道なので、思った以上に時間がかかって
しまった。
枚聞神社には車の中から登山の無事を祈り、一番上の駐車場まで入るとそこはもう2合目であった。屋久島を思わせる自然林の中を歩き始める。30分ほどすると平野が見下ろせる所にやってきて、左手奥に池田湖が望める。今盛りの菜の花畑が所々に残っている。
5合目の広場から見ると眼下には海が広がっており、薩摩半島最南端の長崎鼻が海に突き出ている。登山道は緩やかに右にカーブしてらせん状に頂上まで続いている。下に車はほとんど無かったのに、いくつもの団体の人が降りてくる。バスか電車で来たのだろう。さすが百名山だ。
6合目を過ぎるとガスで視界がきかなくなってきた。風も出てきた。8合目を過ぎたあたりに眼下に海を見下ろす絶好の展望台があった。しかし見える物は真っ白なガスばかり。枕崎へと続く美しい海岸線は想像するより仕方がない。
最後の岩場を登り詰めれば頂上だ。風が強くじっとしていられないので写真を一枚撮って、御嶽神社にお参りしてそそくさと下山にかかる。9合目辺りの風のない所で昼食をとる。
帰りに開聞岳の勇姿を見たくて長崎鼻まで車を走らせたが、頂上は依然として雲の中であった。
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