大室山 1588m)

                                   
平成24年4月7日(度) 晴れ

 用木沢出合(6:10)→(いぬ)越路(こえじ)〜35)→西ノ肩(9:15)
 →大室40)→西ノ肩5)
)→(いぬ)越路(こえじ)
 (10:50〜55)用木沢出合
(11:50)

 
 用木沢出合の「犬越路」という案内標識の矢印に沿って進むと思いがけなく青い立派な橋が現れた。紅葉のころは絵になりそうである。左岸の岩壁に作られた登山道には時々橋がかかっているが、落石で修理された箇所が多く、なんとなく気持ち悪い。道はいったん沢に降りて岩でごろごろした沢沿いを歩く。鳥の鳴き声と沢の水音が気持ちよくあたりに響き渡っている。
 やがて木の階段状の道に変わると、だんだん傾斜が増してくる。急登に息も上がりそうになると笹のトンネルが現れ、ひょいと峠に出た。犬越路である。非難小屋があり太陽をさえぎるものがない小さな広場である。武田信玄が小田原城を攻めたとき犬を先頭にここを越えたのが地名の起こりだとされている。
 小屋横からの急登にあえぎながら進んでいくと、やがて傾斜もゆるくなり、なんと左手に富士山が顔を出したのだ。この山の頂上には見晴らしがないというので何となく楽しみの少ない山だと思っていたが、富士山の出現で評価は一変した。現金なものである。西ノ肩までずっと富士山が見え隠れするこの道は、高度が上がるにつれ山の裾野を見せ、その美しさに疲れも忘れてしまう。
 西ノ肩にはテーブルもあり気持ちのよい休憩イントだ。そこから左手に5分も行けば大室山の山頂だ。樹木の間から(ひのき)(ぼら)(まる)の冠のような頂上部が見えている。最初は白石の方を回って帰ろうと思ったが、予定より時間がかかったこともあり、もとの道を引き返すことにした。前方には丹沢湖が青い水をたたえていたが、富士山には雲がかかり出し、御殿場から高速に乗る頃にはすっかり姿を消していた。