富士山の見える温泉につかって、道路沿いに竜ヶ岳と書いてある標識が立つ、道路を挟んだ本栖湖湖畔にある駐車場で寝る。夜見た満天の星には久しぶりに感激した。
広い林道を歩いていくと、本栖湖キャンプ場に出る。たくさんのバンガローが建っていて方向感覚を失いそうだが、案内がしっかりしているので迷うことは無い。登山口からいきなりの雪。ちょっと驚いたが、山道に入るとすっかり無くなって一安心。杉の植林から雑木林のジグザグ道をひたすら登っていくとベンチのある無名のピークに着いた。一度下って登り返すと東屋の展望台だ。今日の富士山の上空には大きな雲が流れるようにかかっている。
ここからの笹の中のジグザグの急登が、この行程で一番苦しいところだ。ただ、振り返れば常に富士山を見ることができるのが励ましになる。目指す頂上部は登るにつれて傾斜がゆるくなっていくように見える。本栖湖への分岐点に来ると、頂上は広い台地のように見える。はるか下に本栖湖も見えている。
標高が高いので途中から雪道になる。一部凍っているところがあって緊張するが、すぐに頂上に着いた。頂上は広く刈り込まれていて、目の前に雨ヶ岳の大きな山容があり、その右手奥には白根3山、赤石岳、聖岳などの南アルプスが白く輝いている。
帰路は本栖湖に降りようと思っていたが、分岐から10分ほど下ったところで引き返してきた人がいて「雪が深く迷いそうだ」とアドバイスしてくれた。目で確かめたわけではないので少し迷ったが、元の道を引き返すことにした。今度は富士山を目の前にして降りるのでちょっと得した気分だった。
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