No.81、82   北岳(3192m)・間ノ岳(3189m)

       平成13年8月27日(月) 曇り  28日(火) 晴れ
 
   @広河原(7:25) → 白根御池分岐(7:45) → 白根御池小屋
    (9:25〜30) → 白根御池小屋(11:40) → 肩ノ小屋
    (10:35〜40) → 北岳(13:30〜50) → 吊尾根分岐(14:10)
    北岳山荘(15:00)
   A北岳山荘(5:00) → 間ノ岳(6:30〜40)) → 北岳山荘
     (7:50〜55) → 吊尾根分岐(8:40) → 北岳(9:00〜20) 
     → 肩ノ小屋(9:45) → 小太郎尾根(10:10)二俣
     (11:20〜25) → 白根御池分岐(12:50) → 広河原(13:20)

 @広河原から歩き始める。白根御池分岐を右に進路を取る。大木の根を巻きながらの急登をゆっくり登って行く。木はブナからシラビソに変わっている。高度を上げるにつれて視界が悪くなる。真っ白だ。
 工事現場が現れたのかと思ったら、それが白根御池小屋であった。モダンなログハウス風の建物であるはずが、プレハブのバラックが並んでいたのにはいささか興ざめだった。そこにいた人が「雪崩で押しつぶされたのだ」と言っていたが、真偽の程はわからない。
 小さな白根御池を過ぎると、草スベリという500mの急登である。もう少し早ければ高山植物の宝庫である場所だが、今は何となく寂しく感じる。自分で言うのも何だが、急登には滅法強くなった。小さな歩調で息も荒げず(?)黙々と歩いていく。もっともこの時は、ブトのような小さい虫がいておちおち止まっていられなかったということもあったが。
 小太郎尾根に着くと、ようやく急登から解放された。小太郎山までの稜線がきれいに見えた。尾根の右側はガスであったが、今までの抑圧された世界からパッと世界が広がったように感じた。頂上部は見えなかったが、どっしりした仙丈岳を右手にみながらの快適な尾根歩きである。ここまで来ると、今までの苦労はすっかり忘れ本当に来てよかったと思う。
 肩ノ小屋まではあっという間だった。そこで昼食。すでに標高は3000mであるが、寒さは感じない。岩場の歩きにくい道をたどって、日本で2番目に高い北岳の頂上に立つ。「北岳」の標柱はあるが周りが真っ白では正直言って実感がない。少し物足りない気持ちで下山。
 赤い屋根の北岳山荘はかなり先から見えていたが、結構アップダウンもあり思ったより時間がかかった。長崎県から来たという団体もいたが、布団が1人1枚という恵まれた環境でゆっく休むことができた。
 A朝起きると、隣でいびきをかいて寝ていた人が、「全然眠れなかった」と言っていた。寝たか寝なかったかは本当に主観的なものであることがわかった。
 朝食を食べて部屋に戻ると、雲海の先に見事な富士山が見えた。意外なほど近くに見える。
 間ノ岳までの道は岩でゴロゴロした所やもろい所、急登ありとなかなか手強かった。しかし途中にトウヤクリンドウの群落がいくつかあり、それに励まされてなんとか頂上に立った。そこからの景色には大感激。どっしりした仙丈岳とすっきりした姿の北岳、その奥に白く輝く甲斐駒ヶ岳がはっきりと見える。富士山も逆光の中でやさしいシルエットを浮かべている。「今日は本当にすばらしい日ですね」と見知らぬ人と言葉を交える。
 北岳山荘に戻る途中、予定通り八本歯のコルに向かおうか、もう一度北岳に登ろうかとずっと考えていた。頂上を踏むには踏んだが今1つ納得していなかったので、もう一度北岳に登ることにした。
 とてつもなく遠くに見えていた北岳も、一歩一歩足を進めて行けば案外早く着いた。東側からガスがわきあがっていて間ノ岳と甲斐駒ヶ岳は見えたり隠れたりしていたが、正面の仙丈岳は相変わらず堂々としており、今度は北岳の頂上を実感することができた。
 小太郎尾根を少し下りた所から二俣に向かう。ここも相当な急登で、会う人会う人がグロッキー気味であった。二俣には立派なバイオのトイレができていた。そして大雪渓の彼方には北岳がそびえていた。
 大樺沢は台風の影響で道が荒れており、しかもゴロゴロした岩場が続きとても歩きにくかった。ほとんどの人がここから登ってくるようだが、僕としては白根御池コースの方が歩きやすいのではないかと思った。