信州の山      北横岳 2237m)

                                   
平成24年10月6日(土) 曇り時々晴れ

 山頂駅(8:35)→雨池峠(9:05)→雨池峠分岐(9:25〜35)→
 雨池(10:00〜10)→双子池(11:20〜50)→亀甲池(12:30〜40)
 →北横岳・北峰(14:00〜05)→三ツ峠分岐(4:25)→山頂駅(15:00)

  この3連休は裏剱の仙人池に行くつもりであったが、小屋のあまりの混みように恐れをなして、北八ヶ岳をのんび
雨池
り歩くことにした。諏訪湖SAで寝て、翌日ピラタス蓼科ロープウェイの乗り場に。ゆっくり準備して、8時20分の始発に乗る。
 山頂駅に降りると、右手におだやかな山容の縞枯(しまがれ)山、裾野に南八ヶ岳のとがった山群が見えている。まずは坪庭の遊歩道に進む。坪庭は北横岳の火山活動によってできた溶岩台地である。溶岩をコメツツジが赤く染め、天然の庭園だ。進路を右手に取り雨池峠を目指す。きれいな木道が終わると縞枯山荘の青い三角屋根が見えてくる。草原が広がっているこのあたりはとても雰囲気がいい。
 登山道の十字路になっている雨池峠から雨池峠分岐までは大きな石がごろごろした急坂で、歩
双子池(雌池)
きにくい。しかし両側には紅葉した木が所々に現れて目を楽しませてくれる。道端でキノコをスケッチしている女性がいた。茶色に白い斑点がついた童話に出てくるようなキノコだった。
 雨池峠分岐まで来て、僕の想定外のことが起こった。双子池までの道が落石危険のため通行止めになっていたのだ。自己責任で行こうかとも思ったが、結局指定された雨池を経由する道を歩くことにした。
 雨池は湖畔を赤いナナカマドが覆いこの季節ならではの美しさだった。カラマツはまだ黄葉には少し早く黄緑色だった。これがきれいな黄色に変わると見ごたえがあるだろう。さて、そこからの道が大変だった。まだほとんど歩かれていなくて土が固まっていない。おまけに刈られた笹が道の真ん中にあって、転んだら大変危険だ。1時間ぐらいかけてようやく林道に出た。
 双子池はヒュッテの前の雄池と右手にある雌池からなる。雌池近くのベンチで昼食とする。近頃のカップラーメンの麺はこしがあり、味もあなどれない。池をバックにセルフタイマーで写真を取れるよう台が作られてい
赤いソバの花と八ヶ岳
た。こんなのは初めてで、一人旅のものにとってはちょっと感激だった。雌池はエメラルドグリーンで所々に立っている背の高い紅葉した木が湖にアクセントをつけていた。
 テントサイトになっている池畔を半周して亀甲(きっこう)池に向かう。倒木や石に青い苔が生しており滑りやすい。亀甲池では5,6人の人が休んでいた。小さな池の向こうは北横岳である。緑の山の中に黄色や赤の点々がある。ここから北横岳までが、これまでの行程の中で一番きついところだった。「登りじゃなくてよかったね」と山ガールたちがつぶやくのももっともである。ひたすら足元を見て登るだけである。やがて傾斜がゆるくなると、北横岳の最高点である北峰に着く。隣の蓼科山がピラミダルな姿を見せている。南峰はすぐ隣。坪庭や縞枯山荘が遠くに見えている。
 快調に下山し、山頂駅の案内放送で改札が始まったことを知り、急いで3時発のロープウェイに間に合った。「樅の木荘」で温泉に入り、麦草峠の駐車場で寝る。夜半から雨。雨の音を聞きながら明日は家に帰ろうと決めていた。僕も年を取ったかな。