平成14年             己高山 (923m)

                                             
11月16日(土) 晴れ

  コース=登山口(9:25)→六地蔵(10:10)→牛止の岩(10:25)→鶏足寺跡(10:50)→頂上
        (11:15〜12:05)→鶏足寺跡(12:15)
牛止の岩(12:30)→六地蔵(12:40)
      →登山口(13:05)

 今年は冬の訪れが早く寒い日が続いていたが、今日は季節を間違えたのではないかと思えるほど穏やかで暖かい日だった。高速道路で敦賀を過ぎると、山々は紅葉の真っ盛り。黄を主体として全山色づき、つい余所見運転してしまうほどの美しさだった。
 己高閣は紅葉の名所なのか、何か行事をやっているらしく朝から大変な人出だった。少し不安ではあったが林道を行けるところまで行ってみることにした。登山口近くに2,3台の駐車スペースがあり、すでに1台が止まっていた。
 いきなりの急登である。山が急流でえぐられたようなV字のようになった登山道が続く。
少し行くとイノシシのようなものが2頭走り抜けていったのには肝をつぶす。道は少し穏やかになってはいくが、一本調子の登りで息も荒くなる。
 赤や黄色の鮮やかな太陽と青空にはえている。まわりの景色に勇気づけられて、近江地方で最も古いと言われている「六地蔵」に着く。真ん中に大きな地蔵、両側に小さな地蔵が三体づつ石に刻まれている。浸食されて原形が判読しにくいのが、返って長い年月を感じさせられる。
 1時間ほどして体も慣れてきた頃、「牛止の岩」と呼ばれる大きな岩の所にやってくる。山のお寺の荷物を牛で運んだが、これ以上急で登れないために牛をこの岩につないでおいたという。そこはちょっとした展望台にもなっており、琵琶湖や竹生島などが少しかすんで見えた。
 鶏足寺跡は「どうしてこんな山の中に・・・・?」と思えるような所にある。かなり広い敷地には石塔、石柱、庭石などがあり、栄華の跡が偲ばれた。そこからの道がわかりにくく、石段を登っていったら行き止まりになってしまった。高台から落ち着いて見まわすと標識があった。
 頂上に向かう最後の道はかなりの急登で、経ヶ岳の切窓からの道を思い出してしまう。頂上近くには雪が残っており、雪を踏みしめて誰もいない頂上に達する。林のとぎれたところから覗くと、正面に金糞山、右手に大きな伊吹山がそびえていた。 うどんをして、デザートにコーヒーとビスケットという豪華なランチタイム。たった一人ですべてを所有しているような贅沢なひとときだった。
 登り一辺倒の山だったので帰りは楽だった。後ろから誰かに押されるような感じで、ついつい小走りになってしまう。それで、なんと1時間で登山口に戻ってしまった。