No.57     草津白根山(2171m)

             
平成12年6月25日(日) 曇り一時雨   

  白根登山口(9:20) → コマクサ群生地(9:40) → 鏡池分岐(9:500) → 
  展望台(9:55〜10:00) → 鏡池(10:30〜10:40) → 
  白根登山口(11:20)
 信じられないことに朝目を覚すと、雲の切れ目から太陽の光が差し込んでいた。それはますます広がっていき、青空がどんどん優勢になっていった。「僕はやっぱり晴れ男だったのか」と納得してしまうほどの勢いだった。澄んだ朝の光りに白樺の白と草木の緑のコントラストがやけに美しい。
 1分でも早く山に着きたいという思いのために、生徒ののんびりした態度にいらつく。志賀草津道路を上っていくと、早くもハイカーの団体が湿原地帯を散策している。さらに上っていくとたくさんの人が山に入っている。格好からして地元の人で、どうも山菜を取っているしい。この季節何があるのだろう。
 山の頂上部は厚い雲におおわれていて、嫌な予感がする。思えば昨年もこの時期にこの山に来て、余りの寒さと視界の悪さに登山をあきらめたのだった。
 登山口は細かい雨になっていた。でも昨日ほどではない。ゲレンデから登り始める。やがて樹林帯の中の木道歩きとなるが、登山というよりはハイキングといった平坦な山歩きに生徒たちの口はドンドン軽くなっていった。
 深田久弥が「古代ローマの円形劇場」と言った眼下に火口がある(らしい)所に来たが、もちろん白の世界で想像すらできない。コマクサの群生地には赤いかわいい花がチラホラ咲いていた。生徒たちは興奮して一緒に写真を撮ったりしていたが、最盛期であればどんなにすばらしいだろうかとこれは想像することができた。
 鏡池の分岐に来て迷わずに展望台方面に行ってしまったが、歩きながら、本白根探勝歩道の最高地点や本白根三角点に行かないで白根山に登ったことになるのだろうかと少し後悔していた。
 鏡池は本道から5分くらい入った所にある。亀甲模様の石が敷き詰められた珍しい池である。霧の中に浮かぶ誰もいない池はとても神秘的であった。
 それからの道では、生徒たちは道端に生えている小さな竹の子を採るのに大忙しだった。みそ汁に入れるとおいしいとか、高級料理に使われると聞いてから争うように採り出したのだ。これらは店には売っていないし、山に行かないと採れないのだからきっと家族へのいい御土産になったことだろう。