No.52         九重山(1791m)

                   
平成12年3月19日(日) 雨    

  牧ノ戸峠(8:20) → 沓掛山(8:40) → 西千里浜(9:15〜20) → 
  九住分かれ(10:05) → 久住山(10:05〜30) → 九住分かれ(11:00) 
  → 西千里浜(11:20) → 沓掛山(12:10) → 牧ノ戸峠(12:30)
 昨日熊本に来る時、上空から九重の連山を見る事ができた。着陸のために高度を下げた事もあって、手にとるように見えたのだが、まだ未踏の山は細部を確認する所まではいかない。
 夕方別便で到着する仲間を熊本空港に迎えに行って、登山口近くの宿に行く時、暗闇の中に真っ黒な九重山のシルエットを意外なほどはっきり見る事ができた。
 そして朝宿から林越しに、みたびその全景を仰ぐことができた。峠に向かう車の中でも左手にずっとその姿を捕らえていたのだが、早くも雨がぽつぽつ降り出してきた。
 雨具を着けての登山は昨年の霧島山を思い出せる。沓掛山までの道はずっとコンクリ−トで固めてあり興ざめではあったが、今日のような雨の日は感謝しなければならないのかもしれない。足元に温泉街が見えるが、山はもうガスに覆われだしていて、二度とその姿を現すことはなかった。
 やがて登山道は田んぼのようにぬかるんできた。自分の跳ねあげる泥でズボンは泥だらけになり、なんとも情けない。
 太陽が当たらない斜面には雪があり、それが氷のようにカチカチに固まって凸凹した道を平らにしてくれるのでかえって歩きやすくしてくれた。
 尾根にさしかかると風も強くなってきた。時々出て来る案内板も、周りの景色が分からなければ単なる文字にしかすぎない。最高峰の中岳もあきらめてただひたすら頂上を目指す。
 やがて岩でゴツゴツした九重山の頂上に到着したが、やはり冷たい雨混じりの風が吹き荒れており、寒くてガタガタ震えていた。下山している時に、小さな池越しに九重山避難小屋が見えた。ほとんど真っ白な世界にいたわれわれにとってそれはなんとも言えずで心が安らぐ風景であった。