火打山から見た妙高山 |
クレープと自家製のジャムやハチミツ、コーヒーという山小屋にしてはオシャレでしかもおいしい朝食だった。 早朝で調子の出ない急坂をやっとのことで大倉乗越まで来ると、眼前にこれから登る妙高山が全貌を現してきた。昨日登った火打山も左手にそびえている。このあたりが外輪山になっているのがよく分かる。妙高山に登るには一旦谷へ降りて登り返さなければならない。
鞍部の長助池への分岐から、最後の急登に取りついた。岩まじりの急坂には所々ロープが張ってあり半端ではなかったが、一歩一歩確実に頂上に近づいていった。
頂上から見た景色は筆舌に尽くしがたいものであった。青空の下、左手に北の俊英剣岳がそびえ、その右側に白馬連峰が連なっている。 そしてどこから見てもその独特な姿で見分けることができる
剣岳 |
笠ガ岳と槍ガ岳や穂高連峰が続いている。足元には、火打山と焼山があざやかな緑のかたまりとなって横たわっている。雄大なパノラマにしばしわれを忘れていた。
遠くから見ると頂上部のなだらかなラインも、実際は大きな岩がゴロゴロしており、しかも南北に細長く歩くと10分ほどかかった。火山性の砂で滑りやすく、チェーンやはしごのある所もあり、下りも慎重に降りていかなければならなかった。
やがて天狗平に着き一服した。燕温泉の方から大勢の人が登ってきた。これからあの急坂を登って行くのかと思うと、同情を禁じ得なかった。
天狗平からわれわれは池の平への道を取った。しかしそこを通る人は誰もいなかった。林道からカナメで登山道にはいるとすぐリフトの最上部に取り付いた。冬は何度も来ている池の平スキー場だが、雪の無いゲレンデは想像以上にてごわかった。
歩いても歩いても家並ははるか彼方であった。道無き道をやけになって歩いて、やっとふもとのペンションにたどり着いた時には心身ともぐったり疲れ、さすがに車の所まではタクシーに乗ってしまった。
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