久しぶりの朝4時出発。空は満点の星であった。上越自動車道では紅葉の妙高山が頂上まですっきりと姿を現していた。
秋山郷も紅葉真っ盛り。深い谷が色とりどりの葉っぱで埋め尽されており、これを写真におさめようとアマチュアカメラマンがあちこちで三脚を 立てている。後で聞いた話しだが、秋山郷のフォトコンテストがあるらしい。
3合目の登山口が紅葉の限界で、そこから上は葉っぱの無い木が白い独特の姿を形作っていた。道標はしっかり整備されており、次の合目までの時間まで書いてあり、ペースをつかむのにとても役立った。
6合目までは樹林帯の中の穏やかな登りであったが、そこからは時々鎖場のある急登の連続であった。足元に長い霜柱がころがっており、それが溶けかかって足元を悪くしている。時々現れるつららも上に行くほど太くなっていった。
8合目を過ぎてまだ急斜面が続くものと覚悟していたが、あっけなく平坦な台地に飛び出した。9合目の板が敷いてある坪場で、志賀高原の山々を見ながら昼食とした。
そこから頂上までの木道歩きは、苗場山登山の醍醐味である。池塘の点在する高層湿原はこれまで見たどの湿原よりもスケールが大きかった。
頂上を示す標柱は山小屋の裏にポツンと立っていた。場所が場所だけに眺望は無い。
帰りに一段高い所から見下ろすと、湿原の広さが実感できた。その奥から名前の知らないたくさんの山々が屏風のように頭を出していた。
少し心配したが、暗くなる前に登山口に着けて一安心であった。さっそく民宿に荷物を置いて小赤沢温泉「楽養館」に行く。鉄分の多い赤いお湯は少しぬるかったが(自然の温泉なので、熱さはその日によってマチマチだという)、上がった後もほかほかと暖かかった。
そして、民宿のきのこや山菜の料理はどれもこれもおいしく、満足満足の一日であった。
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