No.12            男 体 山(2484m) 

                 平成9年7月20日(日) 晴れ

  二荒山神社中宮祠(11:30)  → 2合目(昼食 12:00〜20 )→ 
  4合目(12:55)  → 5合目(13:05)  →  5合目(13:45)  → 
  9合目(14:30)  → 頂上(14:55〜15:30)  →  
  二荒山神社中宮祠17:50)

 金精峠を越えると、目の前に男体山をはじめとする日光連山と中禅寺湖が飛び込んでくる。大学の小屋が奥日光にあった関係で、日光へはよく訪れた。光徳牧場、戦場ヶ原、湯の湖など、思い起こせばすべて青春時代の感傷的な思い出と結びついている。一度など、真っ暗闇の中を小屋にたどり着き、たった一人でr心細い思いをしながら寝たものである。翌朝は歩いて金精峠を超え、丸沼、菅沼などを散策した。
 そういうわけで男体山の姿はよく目にしていたが、今まで登ろうと考えたことは無かった。今回20数年ぶりでその小屋に泊まり男体山の頂きに立とうとしている。とても感慨深いものがある。
 二荒山神社から登り始めたが、五百円とられた。山に登るのにお金をとられたのは初めてだった。もっとも立派なお守りをもらいはしたが。
 五合目あたりからガレた岩場が続く。このガレ場は観音薙と呼ばれる崩壊地で、所々大規模な修復工事が行われていた。
 振り替えれば中禅寺湖がガスの切れ間から顔をのぞかせている。湖に小さな島がぽっかりと浮かんでいる。
 八合目あたりからザラザラした砂礫の道になり、周りの風景は赤茶けた火山岩に一変する。ズルズルと滑りやすい砂礫は富士山の登山道を思い出させた。
 山頂の大岩には大きな太刀がつき刺さっている。三メートルはあろうかと思われる。足元から崩れおちており、火山の爆発の火口跡であることが推測できる。
 帰り、木の下の方を見ると新しい引っ掻き傷がいっぱいあるのに気が付いた。「クマだろうか。シカだろうか。」と議論になり「やっぱりクマだろう。」という結論になったが、後で小屋の管理人さんから聞いた話ではシカが木の皮を食べた後だそうだ。
 三合目あたりでサルに会った。跳びかかってくるのではないかと心配でなるべく目を合わせないようにして早足で通り過ぎた。