平成15年           日本コバ (934m)
                                               
11月8日(土) 晴れ

  コース=如来堂登山口(9:15)→一番大きな沢(9:55)→炭焼き窯跡(10:25)→岩屋(10:55)
        →政所からの合流点(11:05)→頂上(11:35〜12:15)→政所からの合流点
        
(12:40)→岩屋(12:40)→炭焼き窯跡(12:50)→一番大きな沢(13:30)→
        如来堂
登山口(14:05) 

 「日本コバ」という不思議な名前に惹かれていた。だいたい「日本」などと大きな名前がついた山は他にあるのだろうか。「コバ」が「木場」からきているのは分かりそうな気がするが。福井から2時間弱という地理的距離もさることながら、銚子ケ口や竜ケ岳から見た台形の不思議な形をした山がずっと気がかりでもあった。
 登り口はガイドブックの写真で見て知っていたが、それでなければうっかりすると見逃すほどの何の変哲もない所だった。しばらくは春日神社の参道になっている立派な道が続くが、神社の小さな祠を右に見て川を渡ればとたんに心もとない山道になる。あまり踏み込まれていない道は、この山がマイナーな山である事を物語っている。杉林の中など、赤いテープがなければ迷いそうになる。
 コース中で一番大きな沢を横切ると、川沿いの気持ちのいい道が続く。炭焼きの釜跡はきれいに石が積まれ、人の痕跡が感じられる。小さな広場になっており、水もすぐそばにあり泊り込むのにも実にいい場所だっただろう。ただ、このあたりは紅葉の鑑賞には少し遅すぎた感じだ。
 岩屋と呼ばれる岸壁の下はかなりの絶壁で緊張を強いられる。振り返ると静ヶ岳や竜ヶ岳が大きく見える。岩屋を過ぎると、やっと広い頂上部に取り付いたと思われ、傾斜は緩くなる。政所からの道との合流点を過ぎると、段々下り坂になり、小川まで流れている。苦労して登ってきたはずなのに、山の麓を歩いているような奇妙な感覚にとらわれた。
 最後の小山を登り切ると、ピークに着いた。東側は展望があるが、今日は視界がよくない。しかし、ぽかぽかと秋の陽が照り、半袖シャツでも十分なほど暖かくて気持ちがよかった。
 頂上で話しかけた人が武生の人で、親子であちこち登っているようだ。お父さんは78歳という。息子は50歳の手前ぐらいか。こんな組み合わせは珍しく、ほほえましかった。福井の山は登り尽くして、今は岐阜や滋賀の山を登っているようだ。とても元気で、帰りには簡単に追い越されてしまった。

  同行者 Wさん