No.55        御嶽山(3067m)

               平成12年6月10日(土) 曇り時々晴れ
    
   田の原(5:55) → 大江権現(6:15) → 金剛童子(6:40〜45) → 
   8合目石室(6:55) → 9合目(7:20〜30) → 9合目石室(7:45) → 
   王滝頂上(8:10) → 御嶽(8:35〜9:00) → 王滝頂上(9:40) → 
   9合目石室(9:55) → 9合目(10:10) → 8合目石室(10:30)
   → 金剛童子(10:40) → 大江権現(11:05) → 田の原(11:20)
 実はこの山には平成2年に登っている。頂上での御来光に間に合うように夜中に登ったのだが、雨と風が強く夏なのにがたがた震え、あまりの悪コンディションに頂上を踏まずに戻ってきたのだった。先週姥ケ岳に登り、あまりに近くに見えたその堂々とした姿に、前回の雪辱を果たす決意をしたのだった。
 夜車で走ったので周りの景色は全然見えなかったが、朝目を覚ますと目の前に御嶽があり頂上まで見渡す事ができた。それは意外にも低く見えたが、そこがすでに2200mを越えているのだから無理も無い事であった。しかし、まだら模様に雪をのせた姿は実に堂々として気品があった。
 大きな鳥居をくぐって登山道は始まる。しばらくは三人が並んで歩けるほど広く真っ直ぐな道で、じゃりがきれいに敷きつめられている。
 やがて登山道は川のように雪がおおい始めた。しかし段差が無い分、歩幅が一定でいいので歩きやすい。まもなく金剛童子に着く。昭和30年頃まではここから新しいわらじに履き替えて登山したそうだ。
 登山道唯一の大雪渓が現れる。所々お釜をを大きくしたような穴が開いている。不思議な光景だ。「雨がたまってできたのではないだろうか」と言うのが我々の推測である。上を見ると山小屋があり、それは豪華なホテルのように見えた。振り返れば木曽駒、宝剣の中央アルプス、その左端に甲斐駒が独特な山容を見せている。富士山も頭を出し始めた。 最初頂上だと思っていた所は王滝の頂上であった。頂上奥社の境内を通り抜けると、御嶽山の頂上である剣ケ峰がようやく姿を現してきた。草一本生えていない赤茶けた山肌は異様である。左下ではゴーゴーと音を立てて噴煙が上がっている。やがて左手に天に向かってヘビのように渦を巻いているオブジェ、右手には鉄製の何体もの仏像が現れる。目が異様に光っている。そう言えば今回の登山では余り宗教色を感じなかった。白装束の登山姿が無かったためだろう。
 最近できたばかりだと思われるきれいな階段を登っていくと、御嶽神社奥宮のある剣ケ峰に到着する。正直言って頂上からの眺めがこれ程素晴らしく、これ程たくさんの山を見ることができるとは想像もしていなかった。まず目に飛び込んできたのは北アルプスの乗鞍岳、その隣の槍穂高連峰である。雲海の中に現したその姿は圧倒的スケールで見る者を魅了していた。その左奥には白山が浮かんでいたが、福井の山々は雲の下であった。振り返れば中央アルプスと南アルプス、それに富士山。右
奥には恵那山とそうそうたる山々に囲まれて、山
が好きな者にとっては至福の時であった。