海外トレッキング日記  ルートバーン・トラック(ニュージーランド) 2003年〜2004年

12月27日(土) 
時々雪
 朝、雪で白くなっていた。いつもの通り学校に行って、課外を2時間して家に帰ったらすぐWさんが迎えに来てくれた。Wさんの娘さんが駅まで送ってくれた。あわただしい旅立ちだった。
 予定通り関空に着き、KE726でインチョンに行き、予定通り20:45オークランドに向けて出発する。大韓航空の楽しみの一つは機内食のビビンバである。機内では関空で買った柳美里の小説をずっと読んでいた。
12月28日(日) 
晴れ
 13時間余りの長いフライトを経て、現地時間12時頃無事オークランドに到着する。夏時間ということもあって、日本より4時間進んでいる。M先生は飛行機が一度激しく揺れた時、落ちるのではないかとひどく心配したそうだ。遺言を書こうとさえしたそうで、笑い話にするには深刻すぎる。
 無料バスで国内空港に移動し、国内線でクイーンズタウンに向かう。コンピューターで予約したチケットは機械で自動的に発券してくれるのには驚いた。もちろん係の人に聞いてわかったことであるが。
 クイーンズタウンに着くまで下の景色がすっと見えていた。機内の路線図を見ながら、今どのあたりを飛んでいるのか想像するのも楽しいことであった。きれいな円錐形に見えた山はタラナキ山と思われた。クイーンズタウンの空港は山に囲まれていて、山の間をすれすれに飛ぶので少し肝をつぶした。
 タクシーで今日の宿の「スピナカ・ベイ」に行く。途中、タクシーの運ちゃんは少し丘に登って、ワカティプ湖が見渡せる所に連れて行ってくれた。この湖の色は日本には無いものである。「スピナカ・ベイ」のレセプションのおばさんは親切な人で、ツアーの会社やレンタカーの会社に電話を入れてくれて予約の確認をしてくれた。われわれが山に登っている間のスーツケースも預かってくれることになった。
 部屋に入って驚いた。上下に分かれており、下には寝室が2つあり、それぞれにトイレと浴室がついていた。上には50インチくらいのテレビが付いたふかふかの椅子があるリビングと全ての設備が整ったキッチンがある。そして目の前には青く輝くワカティプ湖と雪をいだいた山々が連なっている。すばらしいロケーションだ。
 5時頃歩いてダウンタウンにでる。前回泊まった「Aラインホテル」の前を通ったときはなつかしかった。明日のツアー説明会の場所である「ステーション」を訪れたら、5時半から日本語の説明会をやると言われた。2時という中途半端な時間に集まることになっていたのでこれはラッキーだった。明日は予定した山に登れそうだ。
 夕食は「南十字星」でステーキを食べる。日本人用に薄く細かく切ってあったので、少し残念だったが、いっしょに飲んだみそ汁とご飯がおいしかった。
12月29日(月)
曇り時々晴れ
 
トラック入口(7:50)→山道入口(8:30)→ゴンドラからの合流点(9:10)→ベン・ローモンド・サドル(10:30)→昼食(10:50〜
11:10)→ゴンドラからの合流点(12:30)→ゴンドラ山頂駅(12:50)
 ゴンドラの始発が9時だということを聞いていたので、7時半にタクシーを呼んで歩いて登ることにした。タクシーでかなり奥まで入れると期待していたのだが、林道の入口で降ろされた。少し行くとチェーンがかかっていたので仕方のないことだ。40分歩いて「Ben Lomond Walk Way」と緑の立派な看板の立った登山道の入口に達した。木立で薄暗くなった樹林帯を黙々歩き、さらに40分でゴンドラ方面からの道との合流地点に着いた。どれだけの時間の節約になったのだろうか。
 もう、遮るものは何一つとしてない。振り返ればワカティプ湖が、高度を上げるにつれていろいろな形に姿を変えている。目指すベン・ローモンド山は厚いガスの中である。M先生は足の調子が悪く、明日からの本番に備えて大事をとって引き返すことになった。ゴンドラの駅で待ち合わせることになった。
 Ben Lomond Saddleには10時半に着く。少し登れば反対側のアーサーズ・ポイント方面が望まれる。ムーンライト・トラックから登ってきたカップルがそこで別れ、男性はベン・ローモンド山を目指し、男性は僕らの来た道へと別れていった。
 僕らは頂上を目指してさらに進んでいった。道が一段と険しくなり、ガスの中に突入していったとき、急に僕の頂上を目指す気力が萎えてしまった。視界のきかない真っ白な頂上が一瞬頭をよぎったからかも知れない。ピークハンターを自認する僕としては珍しいことだ。草原の中で昨日スーパーで買っておいたサンドイッチをかじった。じっとしているとどんどん冷えてきた。
 帰りはワカプティ湖を望みながらの気持ちの良い散歩道であった。太陽が頭上に輝き、やがてベン・ローモンド山の頂上が顔を出してきた。あのまま歩き続けていれば頂上からの景色を堪能できたかと思うとちょっぴりくやしかったが、後の祭りである。
 ゴンドラに乗ってきたと思われる人達がどんどん上がってくる。僕らは道端の花々と、色々な表情を見せてくれるワカティプ湖を眺めながらゆっくり降りていった。
 ゴンドラの駅に近づくと大勢の人でごった返していた。エンジンのないゴーガート場になっており、子供達が歓声を上げながら下ってくる。心配していたM先生とも無事再会して、レストランで冷たいものを飲んだ。空にはパラグライダーが舞い、下にはワカティプ湖とクイーンズタウンの素晴らしい景色が広がっていた。この景色はカレンダーやポスターで何度も見たものだ。
 ショッパーズ・バスで一旦ホテルに戻り、4時頃歩いてダウンタウンにでる。お土産屋さんを何軒かまわり、5時半からの説明会にでる。ビデオをみていろいろ持ち物などの説明をしてくれた。
 夕食は本場のTボーンステーキ。味が大味でちょっと固く、しかも塩コショウだけの味付けだったのでかなり失望。タクシーでホテルに戻る。
12月30日(火) 
晴れ
 
ディバイド(11:15)→キーサミットへの分岐(12:05)→キーサミット(12:25)→キーサミットへの分岐(12:50)→
ハウデン・ハット(13:00〜45)→イアーランド滝(15:05〜15)→オーチャード(16:05〜15)→マッケンジー・ハット(17:00)
 5時起床。荷物の整理をしてスーツケースをガレージに入れておく。朝早くのチェックアウトなので昨日打ち合わせておいたのだ。タクシーが約束通り6時15分に来る。「ステーション」には3分で着いてしまう。誰もいず、待っている間は長くて寒かった。
 9時、バスはディバイドに向けて出発する。湖畔を通り、黄色い花の絨毯が敷き詰められた平原や牧草地を通り、2時間程で懐かしいティアアナウに着く。前回のミルフォード・トラックの時はここを根城にしていたのだ。ホテルで休憩している間に同行の日本人と話す。今回は僕らを含めて6人だ。
 ディバイドから11時15分に歩き始める。いよいよトレッキングの開始だ。ミルフォード・トラックのようにコケ類が多く、通称オールドマンズ・ビアド(老人のあごひげ)と呼ばれるコケが枝から垂れ下がっている。ガイドが3人先頭、中間、最後に付き添ってくれて、細かい気配りをしてくれる。前回のインディペンデント・ウォーク(個人ウォーク)と違い、今回は食事付き、ガイド付きのツアーに参加したのだ。
 分岐点に荷物を置いてキーサミットに出かける。ちょうど3つの谷が集まり、小高い丘を作っている所から、その名が付いたようだ。頂上は平になっており、地塘が広がっている。360度の大展望台で、雪をかぶったダーラン山脈が目の前に連なっている。快晴で、しかも最初の展望台ということもあり、感激もひとしおであった。
 分岐点に戻って10分も歩くとハットのあるハウデン湖に着く。ここで湖畔の景色の良いところにすわって昼食。今日の昼食は登るときにガイドから手渡された。サンドイッチ、スコーン、チョコバー、オレンジだ。大きなサンドイッチだったが、美味しかったのでオレンジ以外は全部食べてしまい少しおなかが苦しかった。冷たいジュースやコーヒー、ちょっとしたお菓子がハットでふるまわれる。
 ランチの後、コースの中で最も雨が多いとされている森林地帯をしばらく進むと、一番の見所の一つである「イアーランド滝」に着く。あまりにも真下過ぎて80メートルという高度感は感じられなかったが、その分しぶきがすごく、あわてて滝壺から避難する。
 「オーチャード」(果樹園)と名の付いた広場で休憩。原生林の中に気持ちの良い広場ができている。冬の間に積もった雪が雪崩をおこして樹木を流してしまったそうだ。ガイドを中心に、気心の知れた仲間の笑い声があたりにこだましている。
 そこから45分で今日の宿の「マッケンジー・ハット」につく。ちょうど5時だ。僕らの部屋は2段ベッドが2つおいてあるこぢんまりした部屋だ。それでも日本の山小屋に比べれば雲泥の差だ。一休みして、そこから5分くらいの所にある「マッケンジー湖」に出かける。雪を抱いたオーシャンピークとエミリーピークが湖面に映る様はいつまで見ていても飽きない美しさだった。遠くで女性が泳いでいた。この寒さの中で水に入る勇気は大したもものだと思ったが、考えてみれば季節は夏だ。
12月31日(水) 
晴れ
 
マッケンジー・ハット(9:30)→オーシャンピーク(11:00〜05)→ハリス・サドル(13:00〜25)→
ルートバーン・フォールズ・ロッジ(15:00)
 ハットから見ると山の側面にジグザグの道がついているのがはっきり確認できる。まずはあの峠を越さなければならないのだ。マッケンジー湖の周囲にそびえている銀ブナの森を通り抜けると、いよいよあのジグザグ道に取り付く。眼下のマッケンジー湖はだんだん下になり、エミリーピークがだんだん低くなっていく。道は遠目に見たほど急ではなく、銀色の葉っぱを持つマウンティンディジーが目を楽しませてくれる。どこに目をやっても美しい景色が飛び込んでくる。ガイドブックにある「11月のヒナギクから、3月のリンドウまで、トラックは地球上で最も素晴らしい自然の庭園となります」とあるのもあながち大げさではない。
 峠を越えて、右に回り込むと「オーシャンピーク・コーナー」に出る。そこから昼食場所の「ハリス・サドル」まで山の斜面を横切る「ホリフォードフェイス」はまさに「雲上の散歩道」である。左手にはダーラン山脈が壁のように連なり、その下にホリフォード渓谷が深く切れ込み、ホリフォード川がタスマン海にまで注いでいる様子が見える。右手にはいくつもの小川が気持ちの良い音を立てて流れ、世界一大きなキンポウゲ、マウントクックリリーが足下に咲き乱れている。 
 ハリス・サドルに着くと、みんな昼食を食べていた。僕らはいつの間にかビリ近くになってしまっていた。さっそく草原に座って昼食。目の前のダーラン山脈を眺めながら、贅沢なひとときだった。
 数分も歩けば眼下にハリス湖が見えてくる。湖上方の絶壁がこのコースの中で一番高い地点(1310m)だ。後は一気に降りていく。ハリス湖は見上げるようになり、水は幾筋もの滝となって湖からあふれている。地塘の散らばる湿原を越えると滝の水音が聞こえてくる。「ルートバーン滝」だ。高さと言うより岩の間を流れる水の迫力に圧倒される。
 「ルートバーンフォールズ・ロッジ」は滝のすぐそばにある。天窓がついた、ゆったりとした談話室からの眺めがいい。シャワーを浴びて、ルートバーン渓谷や背後に連なる山々を眺めていると、何とも言えず幸せな気持ちになる。
今日の夕食はステーキ。これが結構うまかった。食事の後は「パンケーキ受け」(?)に興じた。ガイドがフライパンからパンケーキを投げ、皿を持った僕たちが拾うのだ。わざとおもしろおかしく投げるのでなかなか受け取れない。
10時にベッドに入ったが、いつまで経っても騒ぎが収まらないので寝られない。今日は大晦日、仕方のないことか。
1月1日(木) 
晴れ一時小雨
 
ルートバーン・フォールズ・ロッジ(9:35)→ルートバーン・フラット・ハットへの分岐(10:25)→
ルートバーン・フラット・ハット(10:35〜11:00)→昼食(12:00〜10)→ロード・エンド(12:15)
 大きなブナの林をルートバーン・フラットに向かいひたすら下る。分岐から5分ほど進んだところにフラット小屋があり、そこでモーニング・ティー。すっかりうち解けた仲間との会話が弾む。アメリカから来た大学教授は帰国した次の日から出勤だと言ってぼやいていた。きれいな水のルートバーン川にはおしどりのつがいが、気持ちよさそうに泳いでいる。
ランチ場所の「フォージ・フラット」の手前で雨が降り出した。今日まで快晴だったのだから少しくらいの雨は仕方がない。雨のせいか、ほとんどの人が「フォージ・フラット」で昼食をとらず、1時間先の最終地である「ロード・エンド」まで急いだ。僕らは、あわてることもないと思い昼食を食べていると、噂の「サンドフライ」(蚊)の攻撃に悩まされた。早々に退散する。
川に沿って歩いていると、登ってくる人に会うようになった。荷物を持っていない人もいて、いよいよ最終地が近いことがわかる。最後の吊り橋を渡ると、川岸のお花畑の中でみんながランチを食べたり談笑したりしている。拍手で迎えられた。
バスでワカティプ湖の湖畔にあるグレノーキーまで行き、パブに入る。休んでいる間に、ジェットボートに乗った人達も合流した。「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地などを廻るオプショナル・ツアーがあったのだ。みんなが揃ったところで庭で集合写真を撮った。
クイーンズタウン戻るとすぐレンタカーを借りて「スピナカ・ベイ」まで行き、スーツケースを取ってきた。夜のパーティーのために着替えたかったので湖畔の人目に付かないところを探して、スーツケースを開けた。「旅の恥はかきすて」状態だったが、山のブーツやズボンから解放されると何とも言えずさわやかな気持ちになった。
ホテルでは豪華な食事が用意されていた。ガイドの陽気なスピーチの後、記念写真と歩行完了証明書が一人一人に渡された。たった三日間だったが、共に苦労して歩いた仲間の間にはちょっとした連帯感が生まれていた。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本と散っていき、恐らく二度と逢うことはないのだと思うと不思議な感慨にとらわれた。
9時頃パーティーはまだ続いていたが、先に失礼させてもらった。今日は1時間ほど離れたフルーツの町であるクロムウェルに泊まることにな っているのだ。正月のクイーンズタウンのホテルはどこも満杯で、インターネットで漸く見つけたのがクロムウェルのモーテルだった。
1月2日(金) 
晴れ一時小雨
 
駐車場(10:20)→吊り橋(10:45)→ロブ・ロイ氷河(12:25〜13:05)→吊り橋(14:50)→駐車場(15:10)
 クロムウェルはクイーンズタウンとワナカのほぼ中間に位置しているので、ワナカ近郊の「ボブ・ロイ氷河」を訪れることになっていたわれわれにとって、特に不便ではなかった。
 ルートバーントラックのトレッキングの時もらったビスケットなどを出し合って朝食とし、8時に出発する。木の生えていない独特の山の中に、どこまでも延びた交通量の少ない快適な道路。ニュージーランドを走っていることを実感できる時だ。
 ワナカを再訪。この前訪れたパン屋さんで昼食を仕入れる。ここのパン屋さんは種類が豊富で楽しい。ワナカ湖畔のキャンプ場はすごいテントの数だった。何か行事があるのだろうか、それとも単なるホリディを楽しんでいるだけなのだろうか。
 ワナカを出て、しばらくすると道はダートになった。小さな川を何カ所も渡る。4輪駆動でもないし、車高も高くないので、川の中で止まらないかと冷や冷やした。途中で犬が牛を追っている珍しい光景を見た。2匹の犬は主人の口笛に敏感に反応し、上手に牛を追っている。やがて道路は牛の大群に占領されてしまった。
 まだかまだかと不安になる頃、ラズベリーフラットの駐車場に着く。車が多く、人でにぎわっていたのでホットする。牧場の中を歩き始める。牛がこちらをじっとみている。レンゲに似た赤い花や黄色い花が一面に咲いていて、本当にのどかな風景だ。
 大きな吊り橋を渡ると山道になった。ブナの林の中をひたすら歩くのみだ。はるか下の方から聞こえた川音がだんだん近づいてくる。やがて、木立の間から一本の滝が現れ、氷河と思われる白い部分が見え隠れしている。
 林がとぎれるともうそこは「ボブ・ロイ氷河」の展望台だった。白い氷河から幾筋もの滝が岩肌を伝っている。大展望にしばしあっけにとられながらぼんやりしていると、オウムの一種であるキアが近づいてきてリュックをつついている。観光客に慣れすぎてしまったキアは隙を見てはランチに飛びかかり、あちこちで悲鳴が上がっている。時々氷河が雷のような大きい音を立ててくずれる。
 小雨が降り出し寒くなってきたので早々に退散。不思議なことにすぐ太陽が出てきて、ウソのように晴れ渡っている。雨が降っていたのは展望台付近だけだったのだろうか。吊り橋近くに三角州と草原や山々を見渡せる、絶好の休憩地があった。お花畑に横たわり美しい景色を眺めながら風を感じていると、ニュージーランドの自然とのフィナーレが近づいていることを実感した。
 一旦モーテルに戻って、こんな事がなければ訪れることはなかったであろうクロムウェルの町を走ってみた。狭い住宅街を通り抜けると湖に突き当たる。ダム湖のダンスタン湖だ。湖面では水上スキーや水上バイクがミズスマシのように走っている。日本ではなかなかできないこれらのスポーツがニュージランドでは気軽に行なわれている。どちらが豊な国なのだろうかと思ってしまう。「オールド・クロムウェル・タウン」を訪れると、ダムに沈まなかった古い建物が博物館になっていたり、ショップに改装されていたりしている。この町の起源もゴールドラッシュに始まったのだ。
1月3日(土) 
晴れ
 予定の5日間のトレッキングが無事終わり、今日は飛行機に乗るまでの時間をのんびりと過ごすだけだ。8時半頃モーテルを出て、クイーンズタウンに向けて出発する。 途中の「カワラウ・ゴージ・マイニング・センター」に寄る。昔の金鉱の跡だ。ガイド付きツアーに参加したが、ガイドはニュージランドの人には珍しいわかりやすい英語だった。ここの金鉱のすごいところは、上部にダムがあり、そこから水を引いて機械の動力がすべて水力である所だ。水圧で岩を砕いたり、グラインダーで大きな岩をこなごなにしたり、迫力がある。最後に砂金採りが体験できる。
 ニュージランドはバンジ−ジャンプ発祥の地である。僕らは「カウラウ橋」からのバンジ−ジャンプを見学した。ここは1988年に世界最初に始まり、「バンジ−ジャンプのふるさと」といわれている所だ。43m下のカウラウ川に向かって飛びこむ。見物者は横手の一番近い所、正面、橋の上からといろんな角度から楽しめる。怖気づいてどうしても飛べない男の子、始めから終わりまで悲鳴を上げっぱなしの女の子、川面にタッチして拍手喝さいをあびる人などがいて、ちょっとしたドラマである。
 次に「アロータウン」を訪れる。1862年にアロー川に金が発見されて発達した金の歴史に彩られた町である。バッキンガム通り沿いには歴史を感じさせる建物がならんでいて、当時の雰囲気を感じることが出きる。そんなレストランの、いろんな色の薔薇が一杯植えられている庭で昼食を食べた。今度の旅の食事の最後を飾るのにふさわしい場所だった。
 1時ごろクイーンズタウンに戻り3時まで解散する。湖畔のフリーマーケットを見て、土産のチョコレートや自分の為にコロンビアの山のシャツを買った。空港でレンタカーを返して、オークランドへ。少し遅れて10時前、大韓航空機はオークランドを飛び立った。
1月4日(日) 
晴れ
 韓国も日本も上天気だった。関空で電車を待つ間にうどんを食べる。たいして久しぶりでもないのに懐かしい味がした。
予定通り3時30分福井に着く。すぐ風呂に入りさっぱりした。