No.2             仙 丈 岳(3033m) 

            平成2年7月27日(土)〜28日(日)   晴れ

  @ 北沢峠(8:00) → 仙丈岳(13:30)  → 仙丈藪沢小屋(14:30) 
  A 仙丈藪沢小屋(7:00) → 北沢峠(10:00)

 初めて福井岳友会のツアーに参加した。明け方、信州長谷村の戸台口に着いてバスの中で仮眠する。
 6時半、町営のマイクロバスに乗り換えて北沢峠へ。早朝にもかかわらず、シーズンにはいった北沢峠は登山客でにぎわっていた。
 峠の西の登山道からアルプスの女王と呼ばれる仙丈岳を目指す。涼しく、特に急な所もなかったので快調に歩くことができ、あっけなく小仙丈に着いてしまう。足元に大カールを眺めながら昼食をとる。
 1時間足らずで頂上に到着。頂上の仙丈大カールには高山植物が咲き乱れていた。雄大な南アルプスの山並みが続いて入るが、名前がよく分からないのがもどかしい。
 馬ノ背ヒュッテは超満員。足と頭を交互に並べられたのは、噂には聞いていたが、初めての経験だった。
  「仙流荘」で汗を流し、さっぱりとした気分で福井に向かう。  
 風呂上がりの体にバスの冷房がやたら気持ちが良かった。
平成17年6月25日(土)
 北沢峠(7:00)→馬の背ヒュッテ(9:15)→馬の背(9:30)→
  仙丈ヒュッテ(10:10〜15)→頂上(10:45〜11:30)→小仙丈
  (12:20〜25)→5合目(13:05)→3合目(13:35)→
  北沢峠(14:20)
 前回仙丈岳に登ったのはもう15年も前のことだし、その時はツアーに参加したのであまり印象に残っていない。だから是非もう一度訪れたいと思っていた。
 梅雨の時期だというのにずっといい天気が続いているので、ここぞとばかり出かけることにした。北沢峠への入り口である信州長谷村の戸台の駐車場に前日の夜入った。「仙流荘」はすっかり立派になって昔の面影は無かった。

5時頃あたりのざわざわする声で目が覚めた。知らぬ間に駐車場は車であふれ、人があわただしく行き来している。僕もあわててバス停に並ぶ。夏休み前というのにこの盛況はやっぱり好天のせいだろうか。6時に臨時便が出たので、7時には歩き始めていた。
少し戻って、大平山荘の横手から薮沢新道に入る。大勢の人は小仙丈コースや甲斐駒の方へ行ったのかひとりぼっちの山歩きだ。樹林帯を抜けると薮沢に出る。雪が残っているが、登山道にはほとんどなくて一安心。2人の若者が岸から右岸に渡る丸太の橋をかけていた。ひょっとして僕が渡り初めをしたのかもしれない。「仙丈ヒュッテの管理人に橋が通れるようになったことを伝えて下さい」と伝言を頼まれてしまった。
谷の水は豊富で、いくつもの小さい滝ができていて、心地よい水音をたてていた。振り返ればV字谷の無効に甲斐駒ヶ岳が見えてきた。仰ぎ見れば馬の背に続く緑の頂上部が青空に映えている。チングルマやコイワカガミなどの高山植物も現れてきた。山桜はいくつかの花を咲かせこれから盛りを迎えるところだった。
馬の背ヒュッテまではあっけなく着いてしまった。営業は7月15日からだったので扉には鍵がかかっていた。前回はここで宿泊したが超満員。足と頭を交互に並べられたのは、後にも先にもここが初めてだった。
小屋を少し登ると立派なカールをもった仙丈岳の頂上部が見えてくる。かなりの急登でスピードも鈍る。仙丈ヒュッテは屋根にソーラーパネルが載っており、発電の風車がいくつも回っているいわばハイテク小屋だった。ここからはもう頂上の人も確認できる。
3000メートルを越すというのに、本当に穏やかな頂上だった。南アルプスのどこからも見えた仙丈岳は、当然いろんな山を見ることができる。特に北岳と間ノ岳は実に堂々と対峙している。頂上から18歳の誕生日を迎えた娘に写真付きのメールを送った。この感激が娘にも少しは伝わっただろうか。