気軽に上海3日間
                                   平成19年10月22日〜24日

10月22日(土) 
 8時、Tさんの車で出発。セントレア(中部国際空港)になってから福井から1時間ほど余計にかかるようになってしまった。車を預けて手続きを済ませると12時。ごった返す空港はどこの店も混んでいたが、変わった日本食の店だけがすいていた。
 中国からの到着が遅れたとかで、30分の遅れで中国東方航空MU530便は無事離陸。2時間ちょっとで上海に着いてしまう。本当に近いものだ。空港にはワンさんが迎えに来てくれていた。韓流スターに似た甘いマスクの26歳である。
 1時間ほどでホテルに着き、チェックインしてまずは夕食。「上海に来たら上海蟹だろう」ということでワンさんに予約してもらった有名な「宝和庁」は満員だった。結局自分たちで探さなければならないことになった。ホテルの少し品のないボーイが「花園飯店」のレストランを教えてくれたのでタクシーで行くことに。ここで分かったのだが、上海ではタクシーは予約したり呼んでもらったりはできないということだ。常に自分で見つけなければならない。ホテルではその手伝いをしてくれるだけだ。
 「花園飯店」は我々のホテルとはランク違いの豪華なホテル。ところがここのレストランも予約で満杯。でも親切にも上海蟹を食べさせてくれる近くのレストランを紹介してくれた。ひょっとして我々を「花園飯店」の宿泊客と間違えたのかも。
 そのレストランは歩いて2,3分の所にあった。中国語のメニューは全然分からないので、英語のメニューから適当にスッポンやエビ料理や麻婆豆腐など2人前ずつ注文した。が、ボリュームがありすぎて一人前ずつでよかったと後で判明。ゆであがったばかりのあつあつの上海蟹は雌で、卵巣のところは半熟卵の黄身のようにとろりとしている。でも越前蟹を口にしている我々には食べるところが少ないように感じた。
 それからタクシーで恒隆広場へ。ここはブランド品の店が集まったぴかぴかのビルディングだ。中国の中のちょっとした別世界だ。値段も高級だ。トミー好きのTさんはさっそく気に入ったシャツをゲットした。
 帰りが大変だった。全然タクシーが捕まらないのだ。だいたい乗りたい客に対してタクシーが少なすぎる。また、到着したばかりなので中国式の強引なタクシーの乗り方をマスターしていなかったので、ホテルに帰れるんだろうかと心細くなってきた。ここにいても仕方がないので地下鉄でホテルの近くまで行くことにして、雨の中をとぼとぼ歩いていった。ようやく「南京西路駅」を見つけ「南京東路駅」で下りたが、地上に出てもさっぱり方向がつかめない。でもそこからは意外に簡単にタクシーに乗ることができたが、ホテルに着いたら12時だった。
10月23日(月) 
 8時に下の食堂へ行く。今日はオプショナルツアーを申し込んでありそこでも朝食が出るので軽めにした。でもごま団子がおいしくついつい手が出てしまう。
 8時半ワンさんが迎えに来てくれて出発。有名人も訪れるというレストランで朝食。お粥がとても日本人の口に合い、ホットするほどおいしかった。
 中国ではまだまだ幅を利かせている自転車をよけながら、銀杏並木を通って「東台路」へ。ここは骨董品(がらくた?)や安いお土産の店が路地の両側に軒を連ねている。「こんなものが売れるの」といったものが無造作に置いてあったりして散策するには楽しいところだった。これから始まる「値切りバトル」の口火を切ったのはU夫人であった。
 次に「豫園」へ。江南随一の名園と言われ、庭と池の絶妙な組み合わせの中に中国独特の建築物が配置されている。中国人だけではなく世界中からの観光客であふれている。でもここでも関心の的は「豫園商城」と呼ばれる豫園を囲む広大なマーケットである。充分な時間がとれなかったので明日再訪することにして、飲茶の昼食。あまりにもたくさん出てきた小籠包にちょっとへきえき。
 それから「東方明珠電子塔」へ。新興の街浦東にそびえる468mのテレビ塔だ。263mの展望台に登れば上海の街が足下に一望できる。説明板を見れば街の様子もよくわかる。
 つづいて「中国茶芸体験」。お茶の種類にもいろいろあり、年月が重なればそれだけ値打ちが出てくるお茶があるということがわかったり、ジャスミン茶のお湯の中で広がる様子に感動したりした。でも説明が終われば2階に案内されて、そこは店員が何人もいる広大な店。国営というから抜け目がない。
 「新天地」は日本の原宿とも六本木とも言われているらしいが、カフェが道路までせり出している感じはパリのジャンゼリゼ通りを彷彿とさせる。客も西洋人が多く「ここはどこだ」と一瞬思わせるほど中国とは違う雰囲気がただよっていた。
 「上海雑技団」は当初予定になかったが、ワンさんに言われて申し込んだ。美女の皿回しや自転車の10人乗りとか、球形の檻の中を5台のバイクがまわるといった離れ業など息もつかせぬ演技に大歓声。
 夕食は「海鴎舫」という川沿いのレストランでシーフードを食べる。丁度結婚式の披露宴が行われていた。一般客が入っているレストランで披露宴を行うなんて日本では考えられないことである。食事は日本人の口にはちょっと合わないものもあり、残したものも多かった。
 今日のツアーの締めくくりは外灘(わいたん)からの夜景鑑賞。様々な色にライトアップされたテレビ塔や高層ビルの前をイルミネーションで飾られた船が横切っていった。写真で見るまさに「上海の夜景」である。ただここでもコピー商品の物売りが多く、ついにU夫人はヴィトンの財布を5つ1000円で買ってしまった。
10月24日(月) 
晴れ
 上海に来てやっと晴れる。でも何となく霞がかかっている。排気ガスなどの公害のせいかも知れない。ホテルの窓から下を見ると自転車や車が忙しく行き交っている。運転手はやたらとクラクションを鳴らしている。
 まずタクシーで「豫園」に行くことにした。買い物心がまだ満たされていないのだ。日本の100円ショップのように「どれでも3元」という店もある。ここで分かったことは、この界隈では規模の大きなきれいな店の商品が高いとは限らないということだ。テクニックとしてはこちらの値段で交渉が決裂したときは帰るそぶりを見せることだ。たいていは追いかけてきてその値段で成立する。うまくいけば10分の1の値段になることもある。休憩の時飲んだ外資系の店のコーヒーが30元もすると、ものの値段がわからなくなってしまう。
 昼食はチャイニーズヌードルの店に入る。地元の人が入るような店だったので値段は安かった。ただみんなはラーメンのようなものを想像していたようだが、出てきたのはうどんのようなものだった。
 集合時間の3時までには少し時間があったので、又店に戻りTさんとUさんは立派な陶器の人形を買った。これから海外旅行に行ったら家に飾っておくものを一つずつ買って帰ろうと言っている。その包装に時間がかかったりして店を出たのが2時半。15分ほどタクシーを探したが捕まえられず大通りまで出てみた。でもタクシーの数が少なく捕まりそうでない。1日目の夜の悪夢を思い出してだんだん焦ってくる。豫園に来る客は多いので、また豫園まで戻る。中国式に客が降りる前にタクシーの横に張り付いて、ようやく乗ることができた。このやり方でもう一台も確保でき、ホテルに着いたら3時5分前。旅行の締めくくりがこんなにヒヤヒヤしたのは初めての体験だった。スーツケースに買った物を入れたりしているとワンさんが迎えに来た。
 セントレア着が9時20分だったので、家に着いたら夜中の1時をまわってしまった。みんなグーグーいびきをたてて寝ている中、車を運転したTさん苦労さんでした。また早朝市場に出かけなければならないUさんほとんど寝る時間はありませんね。