No.43         斜 里 岳(1545m)

               平成11年8月12日(木)   晴れ

  清岳荘(4:40 )→ 下二段( 朝食 5:40〜55 )→ 上二段(7:00)→ 馬の背
  (7:35〜40)→ 斜里岳(8:00〜20) → 上二段(9:00 )→ 熊見峠
  (9:40)→ 下二段( 10:35)→ 清岳荘(11:05)

 斜里岳は清里の方から見ると三角形の均整のとれた山である。
 登山口にある清岳荘は昨年(1998年)焼失したそうで、今はプレハブの小屋が立っている。そこの管理人は親切なのかいじわるなのか分からない人で、僕には何となく冷たく、「車の中で寝るのなら200円欲しい」と言われた。
 夕食は、大阪から来たライダーの夫婦と東京から来た四人家族と一緒だった。久しぶりにワイワイしゃべりながらの楽しい食事だったが、彼等のお酒付きの豪勢なディナーに対してこちらの温めるだけのカレーライスはちょっとだけ気がひけた。
 夜が明け始めると同時に歩き始めた。沢沿いに何度も渡渉を繰り返す道は変化があってとても楽しかった。下二段からは次から次へと滝が現れてくる。滝のすぐ横をロープや鎖を使って登って行くのは初めての経験だったが、とてもスリルがあり、沢登りの雰囲気を味わう事ができた。滝が流れている岩はなぜか赤い色をしている。後で知ったのだが、上流から硫黄が溶け込むことによって鉄分が多くなるそうだ。
 上二段からは沢ともお別れである。山道の取り付きに新しいしめ飾りが渡してある。そこをくぐるとどこか神聖な場所に足を踏みいれたような気がした。ガレ場の急登で、この行程でいちばん苦しい所だ。
 馬の背まで登ると、そこにはさわやかな風が渡っていた。知床半島方面は残念ながらガスがたちこめていた。時々スーッと視界が開ける時があったが一瞬で、山々を同定するところまではいかなかった。後を振り返れば熊見峠経由の新道が見え、意外と深い山並みが続いていた。
 そこから一登りで斜里岳の      熊見峠から見た斜里岳
頂上に着いた。知床方面は相変わらず視界が悪いが清里町方面はずっと先まで見渡せ、畑の幾何学的模様がとても印象的である。空にははや赤トンボが舞い、足元にはシマリスが走り回っていた。この山で百名山を完登した人がいて、友人達が祝福していた。僕らにまでワインが振る舞われ、一緒に乾杯した。とても上等なワインだったのか、それとも雰囲気に影響されたのか、今まで飲んだ中で一番美味しい味だった。 
 帰りは新道を通る。熊見峠までは右手に斜里岳を眺めながらの快適な道だったが、そこから下二段までは急激な下りで相当足にきてしまった。