双六岳2860.3m)

                        令和元年9月23日(月)曇り〜24日(火)晴れ

  [1日目]駐車場(5:45)→わさび平小屋(7:05〜10)→秩父沢(8:20〜30)
  →鏡池(11:00〜15)→弓折岳分岐(12:30〜40)→双六小屋(13:50)

 [2日目]双六小屋(4:40)→双六岳(5:50)→双六小屋(6:55〜7:30)
  →弓折岳分岐(8:45〜55)→鏡池(9:40〜50)→秩父沢(11:20〜30)
  →わさび平小屋(12:35〜40)→駐車場(13:50)

[1日目]実は2週間ほど前に挑戦していたが、秩父沢を過ぎたあたりでギブアップしてしまったのだ。暑かったから、荷物が重かったから、体調が良くなかったから、気力が充実していなかったからと理由は色々考えられるが、気持ちの問題が一番大きかったような気がする。300名山を達成して目的を見失っているのかもしれない。
 無理をして登らなかったのはよかったのかもしれないが、だんだん悔しい思いが涌いてきて、再挑戦することにした。前回と違って天気はあまりよくなかったが、明日は快晴とあって、今日の視界はあきらめることにした。秩父沢までは前回のペースより少し上回わり、だいたい標準時間どおりであった。しかし、そこから鏡池までは登り一辺倒で苦しく、ぐんとペースが落ちてしまった。ようやくたどり着いた槍・穂高のビューポイントである鏡池からその姿を見ることはできなかった。
 鏡平山荘から見上げる絶壁に恐れをなしたが、道はジグザグにつけられており、思ったほど時間はかからなかった。弓折岳分岐に着けば、あと一息だ。登りと下りの時間が同じだったので平らな稜線だと思ったが、結構アップダウンが激しかった。途中で雨が降りだし、レインウェアの上着だけつける。遠くに双六小屋が見えてくると雨が激しくなり、駆け足となった。どこから力がわいてくるのか、ちょっと誇らしくもあった。
 小屋に着いて部屋に入ると、雨は大降りになり、間一髪間に合い胸をなでおろした。一つ置きに布団が敷かれ、ゆったりとできた。談話室にはストーブがたかれ、山の仲間と気楽に雑談することができた。夕食はこの小屋自慢のてんぷらで、大満足であった。

[2日目]4時半起床。昨晩準備してあったので、素早く出かけることができた。しかし、小屋裏からの登山道は急登。体がまだ目覚めておらず心臓が悲鳴を上げる。岩には霜がついておりかなり気温は下がっている。ハイマツ帯を過ぎると二つ目の岩場の急登。気を引き締め、ゆっくり一歩ずつ登って行く。傾斜がゆるむと、広々とした山頂が見える稜線にでる。頂上手前で陽が出てしまった。雲海から真ん丸の太陽が現れ、久しぶりに見る完璧なご来光であった。
 頂上からの眺めも素晴らしいものであった。槍穂高はもちろん、笠ヶ岳、御岳山、乗鞍岳、白山、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳、薬師岳などが双六岳を囲んでいる。まさに360度の大パノラマである。これまでの苦労が報われた瞬間である。
 三俣蓮華方面に行かないのはもったいないと同室の者に言われたが、予定通り下山する。槍・穂高を常に左手に見ながらの贅沢な稜線だ。穂高山荘の屋根が太陽に反射している。鏡平山荘の近くでは紅葉が始まっていた。そして、鏡池からは槍・穂高の絶景を堪能することができた。

   
 
鷲羽岳
 
穂高連峰
 
鷲羽岳
 
槍ヶ岳

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