まるかじりタイランド
                                   平成16年1月10日〜13日

1月10日(土) 
曇り
バンコク  タクシー2台に分乗して福井駅へ。雪が残る福井を走っていると、「タイは本当に暑いのか。」と思ってしまう。「サンダーバード」「はるか」と乗り継いで、4時半頃関空に着く。
 久々の日本航空。機内食に寿司やそばが出た。機内では、いただいたばかりのM先生の「登っています百名山」をすっと読んでいた。自分も実際登っているので話がよく分かり面白い。僕も昨年は確実に達成できると思っていたのに、今年になってしまった。
 現地時間11時、バンコクに到着。ちょっと町外れの「ザ・ツインタワー・ホテル」0時過ぎにチェックイン。パスポートと航空券をセィフティーボックスに預け、何はともあれ一日目の祝杯を上げる。
1月11日(日) 
晴れ
バンコク  7時起床。5階のプールサイドの気持ちのいいレストランで朝食。朝からごちそうなので、食べ過ぎに要注意
 8時40分にバスが迎えに来て、長い寺院観光の始まりだ。乗客は我々の他は2組の親子(母と娘)だった。
 最初は「ワット・トライミット」、ちなみに「ワット」とは「寺院」と言う意味だそうだ。ここには純度約60%の黄金で作られた大仏像が安置されている。価値は100億円とも言われる高さ4メートルの世界最大の黄金仏像だ。ちょうど朝食時だったので、敷地内の食堂では地元の人がかしましく食事をしていたのには、ちょっと違和感を感じた。
 次は「ワット・プラ・ケオ」。ここにはエメラルド色の仏像が祭ってあることから「エメラルド寺院」とも呼ばれている。どの建物も金ぴかで、ちょうど朝日に照らされてまばゆいほどだ。タイ王室の守護寺院で、格式は一番高いと言われている。同じ敷地にラーマ1世が造った「チャクリー宮殿」がある。イギリスのビクトリア女王時代の様式を取り入れているが、屋根はタイ様式だ。正面に立つ衛兵が身動き一つしないのがおかしかった。ロンドン塔の衛兵を思いだしてしまった。
 次に、川の対岸にある「ワット・アルン」へ。ラーマ3世が5年の歳月をかけて作り直させたという仏塔は高さが81メートル。表面には赤や青、緑、オレンジなどの鮮やかなタイルが埋め込まれている。遠くから見ると、テレビ塔と言っても良いくらいのスマートさだ。日が沈む時、仏塔は赤く照らし出されて、別名は「暁の寺」と言われている。大きな蛇を首から下げた女性がいて、蛇といっしょに写真を撮らせて商売にしているようだ。わが女性軍も、キャーキャー言いながら触っている。
 最後は「ワット・ポー」。ここの見所は何と言っても全長46メートルの巨大な寝釈迦仏である。この金色に輝く寝釈迦像が安置されていることから「涅槃寺」と呼ばれている。右手で頭をささえて横たわる表情は何とも言えずおだやかである。巨大な足の指には指紋までかかれている。また、タイ式マッサージの総本山でもある。
 ホテルに昼食を食べに行く途中、交通が処断されてパトカーやベンツなどの高級車の長い列。何が始まったのかと思ったら、これから国王を迎えに行く所らしい。あちこちに見られる国王の肖像画といい、ちょっとあきれる。権力者の肖像画や像が建ちだしたら、その国はだいたい悪い方向に向かっている。王室の批判も御法度らしい。昼食は「ザ・ツインタワー・ホテル」で中華料理のバイキング。これはなかなか美味しかった。
 午後はまずショッピング。宝石店、シルク店と廻る。宝石店の店員の力の入れ方には閉口する。ちまたの値段とはあまりにも違いすぎる。金持ちの日本人用の店だ。
 その後タイ式マッサージを体験。まず丁寧に足を洗ってくれる。水虫持ちの足など誰も触ってくれないので大感激。足を中心に1時間たっぷりマッサージをしてもらう。タイ式は少し荒っぽいところがあるが、僕にはちょうどいい加減だった。
 免税店に寄ってタイスキの夕食。免税店にはブランド品の数数が少なく、タイスキは具が変わっていて口に合わなかったのか女性陣には不評だった。僕にとってタイスキはとっても美味しかったのだが、いかんせんお腹が空いていない。勿体なかったが半分以上残してしまった。
 夕食のあとは「ニューハーフ・ショー」。テレビで見たのだが、タイではニューハーフのコンテストが行われていて、これが大人気。あらゆる職場にニューハーフが進出しており、ニューハーフの大学生も多いと言うから進んでいる。従って、ショーにも力が入っている。松田聖子に似た子が一番人気らしい。
 ホテルに着いて、Tさんの財布がないのに気づいて大騒ぎ。「ニューハーフ・ショー」ですられたのか、どこかで落としたのか定かではない。ガイドさんもホテルに駆けつけてくれたがどうにもならない。というわけで、少し暗い夜となってしまった。
1月12日(月) 
曇り時々晴れ
バンコク
(アユタヤ)

 今日は9時半出発なので少しゆっくりできた。1階のレストランは広々としていて、品数も多かった。
 高速道路を通り、1時間ほどでアユタヤの「バン・パイン離宮」に着く。歴代の国王がここで夏を過ごしたという。「明天殿」はすべての資材を中国から取り寄せて作られたと言い、内部を見学することができる。象牙や金がふんだんに使われており、豪華そのもの。 1881年に作られた灯台のような形をした見晴台の階段を登っていくと、中間のテラスに出る。一周してみると、広い庭園の様子がわかる。
 「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」には黄色い衣をまとった寝釈迦仏が横たわっている。粉を吹いたような白さが印象的だ。中央には72メートルの巨大な仏塔が建っている。誰も登る気がなかったが、僕は急傾斜の長い階段を登って内部に入ってみた。薄暗い中に何体科の仏像が安置されていた。
 「ワット・プラ・マハタート」には木の根に固定されてしまった仏の頭がある。それだけでも長い年月を感じさせられる。漆喰がはげて内部のレンガがむき出しになって、崩れかかった仏塔や仏像、礼拝堂などはさながらイタリアあたりの遺跡を思い出させる。ビルマ軍による破戒が大きかったらしが、そこに並んでいる石像の首から上が無くなっているのは異様な光景だった。
 「ワット・プラ・シー・サンペット」は一列に並ぶ3つの仏塔が印象的だ。一回りしてみると色々な角度から眺められ、ビデオカメラの絶好の被写体となってくれる。
 その後「像乗り体験」をする。思った以上に左右に揺れるので、ずり落ちはしないかと気が気でなかった。Uさんの乗った象は軽々と僕らを追い越して行ったが、後で聞いてみるとUさんの像は18歳、僕らの像は40歳だった。年には勝てないか。像使いのおじさんが「ぞうさん」や「津軽海峡冬景色」を歌ってサービスしてくれた。「津軽海峡冬景色」の方はあやしい日本語だったが雰囲気はでていた。
 7時に夕食場所で逢うことにして、Tさんは昨日の被害届を出すためにガイドといっしょに警察署へ、僕らはデパートに行くことにした。ホテルが少しへんぴなところにあるので、繁華街は是非とも歩きたかった。そのデパートにはブランドの専門店が多く、女性陣の目が輝きだした。僕はカフェオレを飲みながら時間をつぶしていたが、このしゃれたぴかぴかの床をもつデパートと庶民の生活との距離を考えられずにはいられなかった。
 今日の夕食はタイ料理。そして、タイの伝統的な音楽に合わせて踊るタイ舞踊。豪華な衣裳と爪の先まで神経が行き届いた繊細な踊りだった。
 ホテルに戻って家に電話をしようと思ったが通じない。通じないと気になる。ホテルの人に頼んで受話器を交換してもらったがダメだった。相手が出た気配がすると切れてしまうのだ。(家ではストーカーではないかと恐ろしくなって、電話線を抜いてしまったそうだ。)
 寝る前にコンタクトをはずそうと思ったら、目に入っていない。少し探してみたがあるはずもなく、暗い気持ちで床につく。

1月13日(火) 
晴れ
バンコク  Uさんに起こされて大慌てで用意をする。5時半に食事をしてチェックアウト。ところが、昨日の電話代が全部請求されてきた。通じなかったのに払わなければならないのには少し納得がいかなかったので文句を言ったがどうにもならなかった。
 空港でも貪欲に買い物をして、いよいよ離陸。気流の関係で1時間も早く関空に着いてしまい、
1時間早い電車に指定席を変更してもらったら、福井には7時半頃着いてしまう。