No.62         高妻山(2353)

        
平成12年9月10日(日)     曇りのち雨

 戸隠キャンプ場(5:50) → 一不動避難小屋(7:50〜8:15) → 三文殊
 (8:30)  → 五地蔵(9:05〜15) → 七薬師(9:25) → 九勢至
 (10:10) → 頂上(11:35〜12:15) → 九勢至(13:00〜05) → 
 七薬師(13:45) → 五地蔵(9:05〜15) → 一不動避難小屋
 (14:45〜55) → 戸隠キャンプ場(16:25)

 戸隠キャンプ場の駐車場で泊まる。戸隠は大学2年のサークルで合宿した場所。様々な青春の思い出がよみがえってくる。青春を懐かしむこと自体老いの兆しであろうが。「青春を若者なんぞにくれてやるのは勿体無い」と言ったのはゲーテである。
 5時に起きて、インスタント味噌汁とおにぎりの朝食後、牧場の中を歩き始める。登山道に本当に牛がいて少し慌てたが、牛はおとなしいので何かすることはない。
 樹林帯に入っていよいよ本格的な登山が始まる。最初は沢の右側を歩くが、何度か渡渉していく。一不動避難小屋までに、2箇所危険なところがある。一つは滝の横を鎖で登っていく所であるが、北海道の斜里岳や巻機山のナメ滝に似ているが、こちらの方がスケールは小さい。もう一箇所は岩山につけられた道を横切る所であるが、高度感があって足を踏み外しそうで怖いが、最近付け替えられたと思われる真新しい鎖がついているので安心感はある。
 心配なのは、Wさんの高山病の症状が早くも。表われてきたことである。僕が一回呼吸するのに対して、4,5回「ハァーハァー」やっている感じである。何分にも先は長い。
 一不動避難小屋の少し手前の一杯清水の水場は、渇いたのどを潤してくれて本当に助かる。一不動避難小屋はブロック作りの頑丈な小屋である。左手に進むと戸隠山である。老夫婦が目指していったが、鎖やはしごのある険しい道と聞いていたので「大丈夫だろうか」とその後姿を見て思った。
 我々は右手に進む。五地蔵山までは割りと快調に進んだが、それからのアップダウンがきつく、容易に先に進ませてはくれない。九勢至を過ぎるといよいよ高妻山の最後の登りである。根曲がり竹の中に急登の道がついていて最大の難所である。見通しがよくないので余計気がめいる。林に出ても急登は続き、やっとの思いで
頂上部に取り付く。岩場には御鏡と阿弥陀如来像が祀られ、ここはまさに信仰の山である。それは途中の六弥勒、七薬師、八観音などと言った名前のつけかたからもうかがえる。
 あっけなく着いた頂上は岩の塊である。周囲に広がるパノラマは白いガスのためにお預けである。
 帰りは幾分早かったが、何回も登り返さなければならなかったので思ったほどの短縮にはならなかった。
 もう少しで牧場と言うところで、とうとう雨に遭った。それも土砂降りで、昨年の幌尻岳を決死の覚悟で降りた時のことを思い出してしまった。でも車に着く頃には止み、服を着替えてさっぱりしたところで食べたソフトクリームはなんとも言えずおいしかった。