No.35         谷 川 岳(1977m) 

                平成11年7月10日(土)  晴れ

 天神平駅(9:55) → 熊穴沢避難小屋(10:30〜35) → 天狗のとまり場
 (11:10)  → 肩の小屋(11:40) → トマの耳(昼食 11:50〜12:20) → 
 オキの耳(12:35)  → お花畑(12:40〜13:15)  → トマの耳
 (13:25〜30) → 西黒尾根ガレ沢の頭(14:50)  → 巌剛新道入り口
 (16:55)  → 駐車場(17:30)

 又しても、梅雨の合間の好天だった。本当についている。スキー用のロープーウェイに乗って天神平駅に着くと、折しもそこでは山開きの行事が行われていて、上空には景気良く花火が鳴っていた。眼を上げるとトマの耳とオキの耳の双耳峰の峻厳な姿が飛び込んで来る。あそこまで行くのだと思うと、期待と不安で一杯になる。
 新しい熊穴沢避難小屋を過ぎると、いよいよ急登が始まる。大勢の登山者は最盛期の白山登山を思い出させる。ハアハア言いながら苦しそうに下向いている者、仲間に置いて行かれて情けない声で叫んでいる者など、と一般のハイカーが多い時の風景である。
 肩の小屋の手前には大きな雪渓が残っていた。雪の上にはガスがかかって幻想的雰囲気をかもしだしていた。
 トマの耳で昼食。足元にはマチガ沢がスッポリと切れ落ちてゾクゾクする。出発点の天神平スキー場がよく見える。対照的に新潟県側はササ原の女性的な山が続いていた。残念ながら上越国境やアルプスの山並みを見ることはできなかった。新潟県から群馬県に向かってガスがものすごい勢いで流れている。ここは日本海側と太平洋側の気候がぶつかり天候の急変することで有名な山である。
 トマの耳からオキの耳にかけては高山植物の宝庫である。稜線上にはヨツバシオガマ、ミヤコダイコンソウ、ハクサンフロウ、シャクナゲ、ウスユキソウ、オオタカネバラなどが見られ、オキの耳直下のお花畑にはイブキジャコウソウ、ハクサンチドリ、タテヤマリンドウ、チングルマ、ハクサンイチゲ、イワイチョウなどが咲き誇っていた。
 帰りは西黒尾根から巌剛新道を通って下る。ガレた歩きにくい道を一気に高度を下げて行く。眼下の雄大な景色を見ながらの下りはなかなかのスケールであったが、ここから登ってこなくてよかったとしみじみ思わせる程ハードでもあった。
                    タニガワコザクラ                    ハクサンチドリ