富山の山      立山 弥陀ヶ原〜室堂縦走  

         2021年10月14日(木) 晴れ

  弥陀ヶ原ホテル(9:35)→追分・一の谷分岐(10:00)→獅子ヶ鼻(10:50)
  →立山有料道路(11:30)→天狗平(12:10)→室堂(12:55)

 

弥陀ヶ原と大日連山
 BS放送で立山周辺の特集があったこともあって、是非秋の弥陀ヶ原を歩きたいと思った。季節はまさに今で、今を逃すと来年まで待たなければならない。晴天の日を待って久しぶりに高速道路に乗る。5時に家を出たが立山駅前の駐車場は満杯。下の駐車場に止めて急いで当日券を買ったが、指定されたのは8時50分の切符。約1時間待たなければならなかった。
 弥陀ヶ原で下車したのはほんの数人だった。一の谷の分岐までがハイライトだ。2本の木道の脇には池塘が散らばっており、橙色の草モミジの奥に大日岳連山が雄大にそびえていた。左手奥には(くわ)(さき)
山が端正な姿を見せている。分岐に着くと左は初心者用の周遊コース、右は上級者コースと書いてある。コースの状況は把握しているので、予定通り右の一の谷を目指す。
 一の谷まではほとんど笹原だったが、一の谷に近づくとちらほら紅葉が見られた。特に太陽に輝くナナカマドの真紅がきれいだった。沢に降りて木道を渡るとチェーンがかかっているトラバース道に出た。切れ落ちた岩場はスリルがあったが、落ちても数メートルなのでそれほど恐怖感は無かった。
 対岸から見上げると独特の形をした獅子ヶ鼻岩が見えた。そこまで行くにはチェーンのかかった急登を登らなければならなかった。二つ目の危険個所だ。獅子ヶ鼻岩まで行く道があったのかもしれないが、気が付いた時には通り越していた。広い高原に女子が二人休んでいた。アルプスの草原にたたずむ女子のようで、絵になる風景だった。このコースで出会ったのは結局彼女たちだけであった。
 どんどん登って行くと眼下に広い弥陀ヶ原を俯瞰することができたが、そこが見納めでもあった。バスの音が聞こえてきていきなり有料道路に出た。天狗平直下までは有料道路を歩かなけれならず、ちょっと興ざめではあった。天狗平から引き返すことも考えていたが、これまで予想以上に早く歩けていたので、せっかくなので室堂まで歩くことにした。
 前方に立山を見ながらの快適な遊歩道歩きであった。所々で、風車のようなチングルマの胞子を見ることができた。剱岳も鋭い頂上部をのぞかせていた。室堂への取り付きは結構厳しく、室堂に出たときは苦しさに息を整えなければならなかった。雲上に浮かぶ赤谷山、堂々とした姿の立山の山々、そして青いミクリガ池などを目にして、室堂まで来て本当に良かったと思えた。

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