No.44            悪 沢 岳(3141m) 

     11年8月20日(金)〜21日(土)   曇り一時晴れ

  @ 椹島(9:30) → 滝見橋(9:40) → 小石下(11:10〜15) → 清水平
     ( 昼食 12:30〜55) → わらび段(13:30〜35 )→ 見晴台
     (13:50)  → 駒鳥池(15:05〜10 )→ 千枚小屋(15:55)

  A 千枚小屋(5:20) → 千枚岳(6:00〜05)  → 丸山(6:50〜55)  → 
     悪沢岳(7:25) 

 前日の午後5時に福井を出発したが、国道1号線から県道に入る道に迷い畑薙第一ダムに到着したのは夜中の2時であった。細く曲がりくねった道が延々と続き、本当に着けるのか少し不安だった。
 5時ごろ団体の人たちの声で目を覚ます。人は集団になると傍若無人になり周りの迷惑など考えないものだ。人数が増えたので7時半ごろ臨時のバスが出ることになったが、バスの中で一時間ほど待たされた。交替の運転手が到着しないのだ。やっと来た運転手は朝早く起こされたためか不機嫌で、ひどく荒っぽい運転だった。
 椹島には兵舎のような細長い建物がいくつも並んでいた。多数登山客がたむろしていて、さすが南アルプスの登山基地という感じだ。
 最初は滝が現れたり、つり橋があったりで変化があったが、やがて、ブナ林の単調な登りになる。厚いガスの切れ間から時々対岸の山が姿を現すが、どのあたりになるのか、全然見当がつかない。
 今日の宿舎の千枚小屋は新しくて気持ちよく、しかもとても家庭的な雰囲気だった。夫婦で経営していて、娘さんが手伝っているという感じだった。ご飯と味噌汁がお代わり自由で、しかもよそってくれた。セルフサービスを基本とする山小屋では異例のことだ。
 翌朝部屋の窓から朝焼けと富士山が見えた。意外と大きく、裾野を広げてどっしりした山容はさすがである。逆光を浴びて紫色にけむっていた。 

          千枚岳から見た悪沢岳

晴の中、40分くらいで千枚岳に着く。そこからなだらかな丘のような丸山、その後に目指す悪沢岳が青空をバックにそびえている。実はここから天気がだんだん下り坂になり、縦走中唯一遠望のきく所であった。
 丸山までの登山道の両端には高山植物が咲き乱れていた。さすが花の南アルプスである。だんだん岩が多くなって、見上げるような岩になるとその上が悪沢岳である。北岳、間ノ岳についで南アルプス第三の高峰であるが残念ながら真っ白なガスの中であった。