平成15年       綿向山(1110m)・竜王山(826m)

                            1月13日(月) 曇り時々晴れ

  竜王山登山口(9:50) → 竜王山(10:15〜20) → 鉄塔(10:35)
   → 綿向山頂上(12:15〜55) → 7合目行者堂(13:05) → 5合目小屋 
  (13:15)→ 林道(13:40) → 竜王山登山口(14:00)

 天気のいい3連休に、いてもたってもいられずO先生を誘って綿向山に登る。1月に登山するのは初めての経験であり、雪の具合が心配でもあった。しかし、滋賀県にはいると全く雪は無く、拍子抜けであった。 西明禅寺から水木谷林道に入り、登山口付近に車を止めて、雑木林の中を歩き始める。いきなりの急登が続くが、つらさより久しぶりの山と土の感覚が嬉しかった。
 道が北側に回り込むと雪が現れてきた。雪はだんだん深くなるが、踏み跡がしっかり付いているので歩きやすい。最後の階段を駆け上ると竜王山の頂上に出た。かなりのハイペースだ。
 そこからは完全な冬山の世界だ。積雪は50センチ位あろうか。送電線の鉄塔の下に出ると、ちょっとした展望台だった。北の方には下界の町並みが足下に広がっており、東にはおだやかな山容を持つ雨乞岳や鈴鹿の山々、南にはこれから登る綿向山が堂々とした姿を見せていた。できることなら、ゆっくりここでお弁当を食べたいくらいだった。
 縦走路は当然のことながら、いくつかのアップダウンを繰り返す。時々木の枝が雪で行く手をさえぎっていて、状態を低くして通り抜けなければならないような所があった。僕は子供のころスキーをはいて林や竹藪の中を探検したことを思い出して少しワクワクしていた。
 今までの行程で一番と思える急登をあえぎあえぎ登ると、雨乞岳から続いている尾根に出た。そこで、今日初めての登山客に会った。尾根近くの笹原はすっかり雪で覆われ、スキー場のゲレンデのように広々としていた。その奥には綿向山がもう手の届きそうな所にあった。
 頂上直下の樹林には樹氷がついていて、逆光にキラキラ輝いて美しい光を放っていた。ふと何年か前に登った九州の祖母山を思い出していた。
 頂上には大嵩神社の祠と地元の青年団が作ったという5メートルほどのケルンがあり、数人の人達が昼食中であった。前方にさえぎる物無く、冬空の下、マッターホルンに似た鎌ヶ岳を始め鈴鹿山系の峰々が屏風のように連なっていた。
 雄大な景色をおかずに僕らも昼食。陽は照らないが、風がないのでそれほど寒くない。インスタントみそ汁もこういうところで飲むと本当に美味しい。
 帰りは表参道から降りる。このコースからは大勢の人が登っているので踏み固められていてよく滑る。アイゼンを持ってこなかったことを後悔する。5合目小屋からは道は二手に分かれており,少し迷ったが北参道コースをとる。こちらを歩く人は少なく、足跡も心許なかったが、杉林の中をどんどん降りていった。植林を守るために鹿よけのフェンスが張り巡らされており、林道に出るまでに2ヶ所のゲートがあった。
 空気も暖かく感じられ、林道に雪が無くなると、ポツンと一台だけ止まっている自分の車の所に戻ってきてホットする。今日は初めて経験することも多く、素晴らしい雪景色に心洗われ、思い出深い山行となった。