o.9         薬 師 岳(2926m)

          
平成8年8月4日(日)〜6日(火) 曇りのち晴れ    
 @ 室堂(9:40) → 一ノ越(10:15〜30) →浄土山(11:00〜15) → 
    鬼岳(11:45〜12:00) → 獅子岳(昼食 12:50〜13:30) → 
    ザラ峠(14:30〜45) → 五色ケ原山荘(15:30)
  A 五色ケ原山荘(6:00) → 鳶山(6:40〜50) → 越中沢岳(8:35〜50) 
    → スゴの鞍部(10:00〜10) → スゴの頭(10:25〜50) → 雪渓の所
    (昼食 11:35〜12:20) → ゴ乗越小屋(13:05)
  B スゴ乗越小屋(5:35) → 間山(6:35) → 薬師岳(8:45〜9:15) → 
     薬師山荘(9:50〜10:00) → 薬師峠(11:00) → 太郎平小屋
     (昼食 11:20〜11:55) → 折立(14:30)
 「1日目」 昨年立山に登った時、浄土山の頂上から下をみると緑の大平原が眼下に広がっていた。それが五色ガ原であり、その向こうには薬師岳があることを知って是非行きたいと思っていた。そして今年、ガイドブックに従って3泊4日の計画を立てた。
 室堂からいつものような雄大な景色は見えなかった。真っ白なガスの中を一ノ越に向かって歩き始める。一ノ越までは銀座通りのようである。今年は雪が深く、ロ−プのてすりが至る所に作られていた。
 山荘前にも大勢の人が休んでいたが、ほとんど全員が雄山を目指していた。浄土山への道に入ると降りてくる人がチラホラいるだけになり、浄土山を過ぎるとうそのように人がいなくなった。幾つかの雪渓を越して行くとクロユリやオニユリなどの高山植物が霧の中に現われてきた。
 獅子岳直下で昼食。その頃になると視界も段々良くなり、足元に黒部湖北アルプスを見ながらの贅沢な食事となった。ふと後ろを見ると雷鳥が目に止まった。近付いてよく見ると、なんと親鳥と3羽の子供が砂かぶりをしていた。人の姿に驚いているようでもないので、この貴重なシ−ンをばっちりビデオに撮る事ができた。
 
 「2日目」 「五色ガ原山荘」では風呂にまで入ることができて、大満足だったが、夜中に誰かビニ−ルの袋をガサガサさせ、目が開いてしまったのには参ってしまった。
 越中沢岳の頂上で休んでいると「あ、見えた、見えた」と誰かが興奮して叫んだ。雲の切れ間から薬師岳の頂上がまさに顔を出す所であった。他の登山客からも一斉に歓声が上がった。われわれにしても、それが薬師岳を見た最初であった。
 スゴ乗越小屋は、北アルプスの小屋の中では少しみすぼらしい感じがするが、生徒にとってはそれがとても素朴で良いらしく、盛んに感心していた。
 夕食を終えて外に出ると、すっかりガスが晴れて素晴らしい眺めが広がっていた。剣岳や雄山、竜王岳、獅子岳、鷲岳、そして目の前に越中沢岳とスゴの頭と、我々が登ってきた山々を確認する事ができた。テラスでは明るい冗談が飛び交い、年齢や性別を越えて、とてもきさくな社交場となっていた。

 「3日目」 朝焼けで素晴らしい一日が始まった。間山を過ぎると眼下に有峰湖が見え、遠く白山が見えてきた。雲の上に頭を突き出している感じで、さすがに高い。
 前方に、目指す薬師岳が悠然とそびえている。雪を抱いたカ−ルがはっきりと見て取れる。やせ尾根をこわごわ登っていくと、アッと言う間に頂上に着いた。
 頂上ではJ 短大の学生がいて、その中に昨年まで部長だったFがいた。こんな所で会うなんて本当に奇遇で、みんなで記念写真をとった。今度は、薬師岳山荘で引率のM先生に会う。体育の登山実習で学生を連れてきているらしい。
 当初の予定では「太郎小屋」にもう一泊するつもりだったが、十分降りられそうだったので一路折立に向かって下る。