No.88        槍ヶ岳(3180m)
                       
        平成14年7月20(土)〜21日(日) 曇り
 
   @新穂高温泉駐車場(4:50) → 穂高平避難小屋(5:50) → 白出谷出合
   (6:40) → チビ谷(7:30〜35) → 流谷出合(8:00) → 槍平小屋
   (9:00〜05) → 千丈沢乗越分岐(11:20) → 昼食(12:00〜20) → 
   飛騨乗越(13:25) → 槍岳山荘(13:45) 
   A槍岳山荘(4:45) → 槍ヶ岳頂上(5:05〜10) → 槍岳山荘
   (朝食5:25〜55) → 飛騨乗越(6:05) → 千丈沢乗越分岐(6:50) → 
   槍平小屋(8:05〜10) → 流谷出合(8:55〜9:05) → チビ谷(9:30) 
   → 白出谷出合(10:15〜25) → 穂高平避難小屋(11:00) →
   新穂高温泉駐車場(11:55)

 @天を突く槍の穂先の鋭敏な姿はどこからでも確認でき、穂高と並んで北アルプスの盟主の名に恥じない威圧感と気品をそなえている。北穂高岳、常念岳、笠ヶ岳、焼岳、御岳から見た槍ヶ岳は特に圧倒的迫力で、今でも眼前に迫ってくる。遂に、その山に登るチャンスが来たのだ。
 残念ながら天気予報は芳しくない。次の日の好天を願って早朝駐車場を出発する。白出谷出合までは林道歩きである。サワグルミやブナの林が目を楽しませてくれる。前にも後ろにも人が全く見えなかったのにはちょっと不安だったが、穂高の入り口である白谷小屋の前に大勢の人がいて急ににぎやかになった。
 白出谷はいったん雨が降ると増水し、大変危険であると言われていたが、幸いにも水はない。むしろ滝谷は水量もあり、どこを渡っていいのかわからず少しあせった。対岸の様子がわからないので、少し上流に上ったら赤い印が見えて方向を決めることができた。
 槍平小屋が建つ槍平を過ぎると、いよいよ道は険しくなる。森林限界を過ぎ、千丈沢乗越分岐あたりからガクッとペースが落ちる。時間も早いし急ぐ必要もないので、ゆっくり登る。飛騨沢には予想以上の高山植物あった。ハクサンイチゲやキバナシャクナゲの大群落、珍しいミヤマクロユリなどが目を楽しませてくれた。キバナシャクナゲは厳しい気候のためか背が低く、木というよりは草花といった感じだった。石のジグザク道を何度も折り返し、やっとの思いで飛騨乗越に立つ。風が急に強くなった。
 段々畑のようになったテント場を過ぎると(今日みたいな日はうらやましさより同情のほうが先に立ってしまう)
ようやく目指す槍岳山荘が視界に飛び込んできた。悪天候のせいか思ったより人がいなく、贅沢に布団を占領することができた。

 A2時頃夫婦の話し声で目が覚める。全く非常識だ。4時点灯。ゆっくり準備をしながら外の様子をうかがうが、一向に良くなりそうにない。荷物置いて、とに角穂先に行って見る事にした。細かい霧のような雨が降っていた。周りが全然見えないので余計そう感じたのかも知れなかったが、特に恐い思いもせずにあっという間に頂上に着いてしまった。こんな狭い所に大挙して人が押し寄せたらどうなるのだろうかと心配になる。最盛期には1時間待ちもあるというのもうなずけた。視界も無く寒いので、記念写真を撮って早々に下山する。帰りはもっと早かった。
 山荘で朝食をとって、完全武装で下り始める。やはり気になるのは沢の増水だ。昨日あれほど苦労した千丈沢乗越分岐までのガレた道は、登りの半分の時間で着いてしまった。それにしてもキバナシャクナゲの群落にはもう一度感激してしまった。
 槍平小屋を過ぎると何と太陽が現われだし、冬から一気に夏に引き戻されてしまったようであった。雨具、長袖シャツと脱ぎ、最後にはTシャツ1枚になってしまった。下界は蒸しかえるように暑かった。今1つ物足りなさが残るのは、槍の姿を一度も拝めなかったからだろう。天気のいい日にもう一度登りなさいということか。