海外トレッキング日記  ヨセミテ トレッキングの旅 2014年8月

8月4日(月) 
 12時に中西宅集合。今回初参加のTさんの車で小松空港へ。安宅PAから高速を降りることができるので早く着く。成田経由で、サンフランシスコにも予定通り着いたがレンタカーを借りるのが一苦労。空港のエアトレインでレンタカーを借りる場所まで行くと「ハーツ」のコーナーには何十人もの列が。1時間近く並んだあと、プレミアム会員は別のカウンターがあることを発見し、また列にならんでようやく予約した車を借りることができた。しかし、ナビが中国語になっているので日本語バージョンにしてもらい、ようやく出発。
 Sさんの運転で、片側5車線もあるサンフランシスコのフリーウェイを通り、予定より少し遅れてヨセミテ・ビレッジから十数キロ離れたところにある、エルポータルという町の離れにある「ヨセミテ・ビュー・ロッジ」に着く。
8月5日(火) 

晴れ

タフト・ポイント

センチネル・ドーム

  タフト・ポイント  センチネル・ドーム
 2時ごろから眠れなくなり、1時間ほど読書したら6時までぐっすり寝ることができた。今日は僕の運転。どうもふらふらしていたらしく、パトカーに止められて「飲酒やドラッグはやってないか」と尋ねられてしまった。気を付けよう。トンネルの手前の「トンネルビュー」で止まって写真を撮った。緑の木々の上にハーフ・ドームを中心にそびえる岩山はよく写真で見る光景だ。
タフト・ポイントの駐車場からいよ


 トンネルビューからハーフ・ドームを見る
いよトレッキング開始。大きな松の木の林の中を歩く。落ちている松ぼっくりがビックリするほど大きい。森を抜けると花崗岩の岩があらわれ、近づいて下を見るとヨセミテ渓谷が1000メートル下に見える。まるで鳥になったようだが、高所恐怖症の人には向かないだろう。
センチネル・ドームに行く途中自然の石の造形がたくさんあった。「イナゴの頭」とか「モアイ像の頭」などと勝手に名づけて楽しんでいた。遠くから見るとかなり険しいドームに見えたが、近づいてみると傾斜はあまりきつくない。頂上には方位板があり、360度の大展望。

グレーシャーポイントの駐車場は大渋滞。ここへはトレッキングをしなくても行けるので、観光客であふれていた。さすがに展望は抜群で、水のないヨセミテ滝や水が豊富なネバダ滝、そしてハーフ・ドームが一段と近くに見えた。双眼鏡でのぞいてみると、なんとハーフ・ドームの頂上にいる人まで確認できた。

8月6日(水)

晴れ

ハーフ・ドーム
(2682m)


 

  駐車場(4:50)→バーナル滝(6:00)→ネバダ滝上(7:00〜10)→ハーフ・ドーム下
  (10:15)→ハーフ・ドーム(10:45〜11:40)→ハーフ・ドーム下(12:05)→
  ネバダ滝上(14:50〜15:05)→駐車場(17:15)
 2011年よりハーフ・ドームの頂上に登るのには許可証が必要になった。これは登山者の安全を守るためであり、1日400名に限定されている。3月にネットで申込み、4月に発表がある。運よく当選した我々は、今回のトレッキングのハイライトとしている。
 3時半起床、4時ホテルを出発。真っ暗な中、ヘッドランプをつけて駐車場を出発。下ばかり見て歩いているので、どこをどう歩いているのか皆目わからない。つらい石の階段を上り、バーナル滝のあたりでようやくあたりが白み始めた。ネバダ滝の上部では完全に夜が明け、滝口から勢いよく水が流れるのを見ることができた。

 滝を超えると比較的穏やかなトレッキングコースに変わる。滑滝から水が滑り込んでエメラルド、プールという鮮やかな色の池ができている。見上げれば岩山が朝の太陽に赤く燃えている。いくつかの滝を眺め、小川のほとりを歩くと、左手にこれから登るハーフ・ドームがいろいろな形を見せている。ちょうどひょうたんを半分に切ったように見えたり、まさにドームをスパッと半分にきったように見えたりする。

 いよいよ小さいほうのドームをジグザグに登って行く。途中から石の階段になり、歩幅が合わず苦労する。いったん鞍部に出て、最後にスチール・ワイヤーが両側に張られた120メートルのきつい登りがある。見上げれば、蟻のように多くの人が岩にしがみついている。45度を超すと思われる急坂。ワイヤーを強く握って体を引き上げるため腕の負担が大きい。しかし、グループの先頭を切って頂上に達することができた。雲一つない青空の下、さえぎるものが何ひとつない広々とした頂上部で大展望を目の前にして昼食を食べる。若者たちが岩の端に行って、いろいろなポーズで写真を撮っている。
 
最大の目標を達成することができたという安ど感と満足感いっぱいで下山をする。ネバダ滝の上部から行くときとは違う道(ジョン・ミューア・トレイルの一部)を歩く。そのあたりから膝は悲鳴を上げ、足の裏が痛くなってきたが、何とか予定より早く駐車場に戻ってくることができた。
 

 8月7日(木)

 晴れ 


マウント・ホフマン(3307m)

  トレイルヘッド(10:20)メイ・レイク(11:10〜15)頂上直下(13:00〜20)
  マウント・ホフマン(13:40〜50)頂上直下(14:05)メイ・レイク(15:25
  〜35)トレイルヘッド(16:10)
 車のガソリンが危うくなってきたので、昨日ホテルに戻る前にいちばん近くのガソリンスタンドに行った。そこは無人のセルフサービスの店でカード支払いとなっていた。しかし、誰のカードを使っても、どの機械に差し込んでも「読み込めません」のサインばかり。まさか、日本人のカードだけ受け付けないのだろうか。公園内にはガソリンスタンドがないので大いに焦り、ホテルに帰って対策を練ることにした。
 早朝、再びガソリンスタンドを訪れ、誰かのカードで給油してもらい、その人に現金で支払うという作戦を実行することにした。ターゲットは最初に現れたイタリア人の若いカップル。カードの限度額を心配して、満タン給油とはならなかったが、25ドル分を快く入れてくれた。これで今日の行動を開始することができる。

 一路メイ湖の駐車場を目指す。熊の被害を避けるために、駐車場の車に食料品を置いておけないので、例によって鉄の食糧庫(ベアーコンテナ)に食糧を入れて出発する。途中で物資を運ぶ馬の隊列にあった。これまで馬の糞はよく見かけていたが、実際の馬に遭遇したのはこれが初めてであった。

 ほどなくしてメイ・レイクに着く。針葉樹と白い岩山を背景にして、湖は静寂そのものであった。湖を過ぎてしばらく行くと、大きな岩がごろごろしている急登がある。ここが一番つらいところだった。やがて広々とした草原に出る。そこはマーモットの天国らしい。あちこちで背伸びをしたり駆けまわったりしている。

 頂上直下で昼食をとり、大きな岩を伝って無線中継施設のある頂上に出る。3307mの頂上は日本でいえば富士山に次ぐ高さだ。もちろん見渡す限りの大展望。ハーフ・ドームははるか下に見える。西側の方で山から煙が上がっている。ヨセミテで山火事は珍しいことではないようだ。

 昨日12時間も歩いたので、さすがに帰りは疲れが出たが、1時間半ほど走ってマンモスレイクのスキー場にある「マンモス・マウンテン・イン」にチェックインする。ここはスキーリゾートなので冬はにぎわうそうだが今は閑散としている。夕食は街に出て、僕はバッファローの肉を食べる。

8月8日(金) 

晴れ 

カテドラル・レイク

  トレイルヘッド(10:45)カテドラル・レイク(13:00〜45)トレイルヘッド(15:40)
  昨日通ったタイオガ道路を戻って行く。車は人の手が入っていない原野をひたすら走って行く。日本とは違って、広告塔など一つも見当たらない。ビジター・センターに車を止め、舗装道路に沿って歩き始める。昨日車から確認したトレイルヘッドとは違うが、案内板にはちゃんと「カテドラル・レイク」とあるので、何の疑いもなく歩き始める。
 1時間ほど歩いて、間違いに気づき、急いで引き返すと道路が見え、本来のトレイルヘッドに戻ってしまった。まるでキツネにつままれたようである。約2時間のロスであったが、気を取り直して再び歩き始める。

 すぐに白い岩でできたカテドラル山のふもとに出る。湖はこの山を半周した先にある。高低差はあまりなく、今まではあまり見られなかったお花畑も現れ、気持ちの良いトレイルだ。この地区では一番人気のあるトレイルらしく、歩いている人も多い。森を抜けると草原が現れ、その先に白い岩山と針葉樹を背景にした紺碧の湖が現れる。まさに神秘の湖である。残念ながら静寂は小学生のグループに破られはしたが。後ろを振り返ればカテドラル山がその名の通り聖堂のようにそびえている。

 しばらく休んでいる間に、S先生が先に行って車をトレイルヘッドに回してくれることになり、S先生とYさんが先行して帰って行った。申し訳ないと思ったが、僕らはスローペースで降りて行った。僕らがトレイルヘッドに着くのとS先生が車で戻ってくるのと同時だった。何というグッドタイミング!後で聞いた話では、ちょうど来たシャトルバスでビジター・センターまで戻ったそうだ。

 週末だからか、スキー場はリフトも動いており、バスでやってきた団体客も多く、大賑わいであった。近くのレストランもオープンしていたので、念願のステーキを食べる。

8月9日(土) 

晴れ 

レンバート・ド−ム(2880m)
  駐車場(7:40)レンバート・ドーム(8:55〜9:10)駐車場(10:00)
 今日はサンフランシスコに戻る日なで、早く宿を出てレンバート・ドーム下の駐車場に入る。ここがすでに2650mある。林越しに見えるレンバート・ドームの頂上に人が立っているのが見える。左側にぐるりとまわりこんで、傾斜の緩いところから登る。岩は滑りにくいので歩きやすかったが、最後の頂上直下だけは少し怖い思いをする。
 頂上には三脚を立てて写真を撮っている人がいた。頂上からの眺めは、遮るものは何もない大展望で、しばし言葉を忘れるほどであった。特徴のある尖塔を持ったカテドラル山もすぐに確認できた。昨日はあの周りを歩いていたのだ。

 途中の町の「バーガーキング」で昼食を食べ、一路サンフランシスコへ。無事ホテルを見つけ、レンタカーを返却することができて一安心。これもグーグル・アースで詳しく調べておいてくれたS先生のおかげである。

8月10日(日)

曇りのち晴れ 

サンフランシスコ
観光

 今日はゆっくりサンフランシスコ見学である。午前中は申し込んでいたツアーに参加。ツアーと言っても我々だけだったので気楽であった。ユニオンスクェア、ゴールデンゲイトブリッジ、ツインピークス、フィッシャーマンズワーフなどの定番コースをまわる。午後はアルカトラズ島の監獄を見物、名物のケーブルカーでチャイナタウンを訪れ、中華で最後の夕食を楽しんだ。
8月11日(月)

 バート(ベイエリアの各地を つなぐ公営高速鉄道システム)の駅までスーツケースをころがす。坂の多い街だが、下りだったので楽だった。自動販売機の切符の買い方が難しく、うろうろしていたら女の人が手伝ってくれたが、1ドル請求される。ひょっとして、これを商売にしているのかも。

8月12日(火)
 映画を4本も見てしまう。成田の到着ロビーはカメラを構えた人でいっぱい。後でわかったことだが、歌手のレディ・ガガがやってきたのだ。雨で小松への出発が遅れたが、予定通り10前には家に着くことができた。