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価格について
「需要と供給の法則」でもあたりまえのように扱った’価格’。経済学の教科書はどれも(実際、10冊調べました)、市場経済の最大の特色は価格メカニズムと宣言しています。そして、需要と供給の法則をはじめ、いろいろな議論もすべて価格を基礎に展開しています。確かに価格の大切さは、わざわざ教えてもらわなくても日常経験していることですね。
しかしです。あえて、価格の効能についてもう一度素直に振り返って見ましょう。とはいっても’オカネと愛、どっちをとるの?’などどいう話をしようというのではありません。あくまで経済活動です。
例によって、日常生活でのいろいろな場面を考えてみます。
・Aスーパーは安いけれど夜6時閉店。勤めている私は8時まで営業しているBマーケットで買うことが多い。
・Cコンビニでよくアイスクリームを買う。Dストアーの方が安いけど、レジで待たされている間にとけてしまう。
・コマーシャルに大好きなタレントが出ているE社の製品をよく買う。他社も値段はきっと同じだろう。
・オリジナルのおまけが欲しかったので、F社の製品を買った。
・インターネットでの書籍購入をよく利用する。送料がかかってもこっちの方が便利だ。
・G社のインターネットショップは安いけれど絶対使わない。一度利用したが、当初連絡のあった日に届かなかった上、問い合わせても、「いつになるかわからない」との返事だった。
・H社のインターネットショップはいい。注文してから届くまでの納期が短いし、遅れるときは必ず事前に連絡がある上、連絡のあった日にはきちんと届く。
・電器製品はK商会で買う。値段は量販店より少し高いが、こまめに点検してくれるし、故障したときもすぐ修理してもらえる。製品をいつも気持ちよく使えて、長持ちで結局安くなる。
・L社の家電製品は値段は他社より少し高いけれど、品質がいい。故障しないし、長持ちだ。修理費用や、リサイクル・廃棄費用を考えたら結局L社製品の方が安くなる。環境にもやさしい。それにL社は環境の国際認証(ISO14001)も取得していて、環境問題に積極的に取り組んでいるようだ。
このように、実際の経済活動では価格がすべて、とはいえないのではないでしょうか。
といった要素が製品と価格に追加して経済活動が成立しているのだと思います。

これは何も今に始まったことではありません。昔からあったことでしょうし、以前から言われている経済のソフト化の具体的内容です。昨今の企業でのIT革命も、価格よりむしろこのような面の強化をねらったものが多いのではありませんか。また、環境重視の点から、今後耐久消費材の使用期間は長くなるでしょう。そうすると、価格といっても単に購入価格ではなく、メンテナンスや廃棄の費用を含めた製品ライフでの価格を見なければなりません。
なのに経済モデルには、なぜ相変わらずこれらの要素が入っていないのでしょうか。
すぐに次のような声が聞こえてきそうです。
しかし,これでは素人は納得しません。
問題は、一般向けの説明のしかた。基本経済モデル提示のスタイルではないでしょうか。実はこのページで述べたようなことは専門家はとっくに検討済みで、しかるべき文献にはそれらの記述があります。例えば、需要と供給のページでリンクした'寡占的市場構造'を思い出してください。
しかし、一般向けの説明は、旧態依然としたままです。
体系の美しさ、数学的記述の完璧さより、現実把握の的確さを重視したわかりやすい経済モデルを作っていきませんか。
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