「祝ひの森」の裏話  *あくまで個人的な主観です

その芝居は初の書き下ろしだった。
その芝居は初のしろとんぼだった。

初稿(初めの台本)を読んだ時「椿の木ぃ?! ・・・作るのぉ?!」
おいおい、舞台屋は俺一人だぜ、マジ?・・・えっ?マジですか・・・
早々に泣きが入る牛田猛〜。

しかし!神は存在したのだ。我々には強力な新人がいた。
彼の名はY田。武生の南に住む若者だ。
今回は舞台監督の大役を任されている。
「椿は僕が作ります!」
おおっ!ありがたい・・・。
「椿の花びらは私が作ります!」
おおっ、もう一人の新人、K林嬢じゃないか!
二人に製作を任せ、演出と音効に精力を注ぎ込む僕・・・。

だがしかし!本番間近になっても二人の作業は遅々として
進まない・・・。
ついにY田が
「すいません、作れません」
今さら言うなー!! もっと早く言ってくれよぉ・・・(号泣)

さあ、再び、いや、三度地獄の到来です。
地獄ファンの皆様、お待たせいたしました!!

稽古の合間に花びらを作る女優達。
椿の木と格闘する男優達。
しろとんぼはさながら巨大な内職場と化したのであります。
そして演出・舞台・音効・役者となった僕は、肉体・精神共に
極限状態に追い込まれて行くのでありました。

どうでもいいけどY田君。雑誌代までタカルのはいただけないな。
借り物はちゃんと返そうよー。こっちに迷惑かかるのよ。

その後、Y田君の消息は解かりません。