「夜の客人」に関する裏話

この戯曲は、「関西の岸田戯曲賞」と言われる「テアトロ・イン・キャビン」の受賞作品。初演で先輩役者陣が「火の見櫓の
向こうから」を演るのを、音響席で指をくわえて観てた僕は当時稽古場の下っ端、若造扱いの爆裂青二才。

さて、どんな構成で(この戯曲は全部で20〜30位の短い話から構成されているものを上演の都度構成して上演される)、
そして、どんなキャスティングで演ろうかと考える作業が楽しくて楽しくて仕方なかったものです。

結局、春夏秋冬の順に計12話+プロローグ&エピローグで決定。構成は

出演者
プロローグ 全員
花散る夜(春) 下村・久野
あちら側の花畑(春) 岩村・中谷
面影橋(初夏) 倉知・佐野・西村
火の見櫓の向こうから(夏) 藤沢・下村・西村・倉知・木下・岩村
蛍舞う夜(夏) 西村・森田
風鈴の音がきこえる(晩夏) 岩村・中谷
どんぐり落ちる夜(秋) 下村・岸本
夫婦の場(めし編)(秋) 木下・山口・倉知・安嶋
刺の行方(晩秋) 西村・森田
風の杜(晩秋) 藤沢・久野・下村
星の郵便(冬) 岸本・下村
寒月かかる夜(冬) 西村・山口
エピローグ 全員

この芝居の後、人生最大に痛い思い(今となっては感謝したい出来事)
を経験するのだが、ただ自分の演劇的居場所が出来た事が嬉しくて
たまらない僕は、そんな事を知る由も無かったなぁ・・・。