A Place In The Sun の裏話?!

 液晶モニターに心躍る今日この頃、地獄ファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか?
このページに辿り着いたあなたは、立派な地獄ファンです(きっぱり)。久しぶりに公演の裏側に
隠された「地獄」(もしくはトホホ)を曝け出しちゃいましょう。(大層な事言うけど、単なる裏話だよ)

さてさて、この公演。自立独立闘争真っ只中の作品です。

 前作「熱海」から後、この集団が何処へ向かうのか、この公演の企画はここから始まりました。
今までの路線を否定するつもりは毛頭無いし、今より作品の幅を広げたいという思いが
ありましたが、どことも敵対するつもりは無く、ただただ、いい芝居がしたいだけで、その想いが
Y川に届き、久々に帰ってきて主演。「From〜」とかのクレジット無しでいいとの申し出に、彼の
心意気が見えました。(後日、彼は本隊から「裏切り者」呼ばわりされてしまいます。すまん!)
ああ、あの時僕にカプセル怪獣がいたら、そんな事言う厨房をただじゃおかないのに・・・。
もしも江戸時代なら、無礼討ちにしてやるのに・・・。人の真意は中々理解されないものです。
その話は ( /^^) /口 置いておいて

・・・地獄かぁ・・・あんまし無かったような・・・(>_<)

・・・強いて言えば「消えモノ」でしょうか?(にやり)
この芝居、消えモノが多かったです、確かに。
こんぺいとうに、たべっこ動物に、いちごポッキーに、沢山のチーかまに、干し柿に、誕生日ケーキ!
全部食べてたら体重が増え・・・もとい、テンポが崩れる。

で、こんぺいとう・たべっこ動物・いちごポッキー・・・
・・・この小袋に入れられ個包装された、まさに過剰包装
を体現しているが、ちょっとしたお出かけにはその食べきりサイズが味方して今や市場を席巻せんと
する勢いの、この菓子類・・・は、舞台上に出現後、速やかに客席に投棄し、観客に任せる。言わば
「放置プレイ」、このプレイを思い付く事により本編のテンポを保つ事を演出は選択し、それは
遅滞なく実行に移された。

そしてチーかま。
・・・誰しもが幼少のみぎりより慣れ親しんだ棒状の魚のすり身に粒状の小さい乳製品を
ランダムに混入させ、味と食感に変化を持たせ、それが功を奏して酒の肴として今や押しも押されぬ
勢力を誇るが、個体によって、いや、製造メーカーによって味・単価に大きな格差が存在するこの
おつまみ・・・毎日毎日稽古で複数本のチーかまを胃袋の意思とは関係なく、言わば強制的に、
しかし芝居としての必然性から、速やかに、かつ、旨そうに食べる事を要求されたK林は、
その芝居が終わった今となってはチーかま嫌いになったのである。

しかも干し柿。
・・・飽食の現代日本の中にあって、ひときわ地味な存在で、今や年寄りのノスタルジーを
一身に背負うこの干からびた元果実・・・は、Y田嬢がT中の分を千切って渡してくれる段取りため、
Y田嬢の、その元果実への倦怠感から、T中のそれは日ごとにその体積を増していき、しかも、
T中が完食した、しないに関わらず、共演者であるS田嬢の感情の昂ぶりによって次の場面へと
進行してしまい、そうなった場合、口をモグモグしていては舞台上の雰囲気がぶち壊しとなってしまう
ため、静かに、速やかに、よく噛んで、悲しみながらこれを食せねばならない彼の心労は
此処に到ってピークに達し、「待つわ」がウケようが滑ろうが、彼の目は据わり続け、
大きく開脚しながら虚空を睨み付けるその表情は、あたかもブルース・リーのようであり、
しかし客席の空気は依然として引き、それを追いかける彼は、ただひたすらそのテンションを
上げるしか術を持たず、結果として一種異様な「楽しさ」を舞台の上に残したまま、悠々と、
また無興気に本編は進行していった・・・。

誕生日ケーキは大人気でしたとさ。