盤持石/磐持石/晩持石(ばんもちいし)力石・力試し石など地方によって呼ばれ方が異なっている。
神社や寺院に置かれた重い石で、持ち上げて吉凶や願い事の成就を占うものであった。後にはこれは娯楽や鍛錬のための力試しの石となった。
藩政時代の生活には、腕力を必要とすることが多かったことから、一般男子の遊びにも力を競う「ばんもち」があった。普通は石を肩にあげたり、あるいは頭上に差し上げたりするもので、石には一俵石、五斗石、一石などと種々のものがあった。自分の持ち上げることも出来ない石に対しては、腰を掛けるなどの不作法は厳しく戒められていた。

円山地区や周辺地区では、盤持石は民俗資料として認知されないまま今日に至っている。しかし神社境内に安置されている石は勝手に処分したり持ち出したりできないという精神文化があり、石は安置されたままであり、一種の文化財という意識があることが伺える。

円山地区の神社には、盤持石であったと伝えられているものと盤持石であったであろうと思われる石が合計23個ある。


特にこの写真のものは河増町の弓八幡神社境内にあり、
「肩上 北四ツ居 吉田勇吉」
と名前が彫られている。
このことから勇吉さんは北四ツ居町から河増町に出かけて力を競い、一石ほどもあろうと思われるこの大石を肩まで上げたことが伺える。




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