第9話【森の中の動物達】
アンボセリの動物達を後にして、
一路、アーバディア国立公園を目指して出発。
相も変わらず、ジャンピングサファリ。
途中、トウモロコシ、パインアップルの畑を見ながらのドライブ。
ほぼ一日中走り続けて、公園ゲートに到着。
『JAMBO!』
挨拶を交わして中へ...。
中は、きれいに整備されて、別世界の様でした。
色とりどりのブーゲンビリアの花が、咲き乱れ、
クジャクが、その辺で優雅にうろうろしている。
受付を済ませて、乗り換え。
ここからが本番、いざ森の中へ。
ずいぶん古くて、壊れそうなバス(三菱製)に揺られて、
山道を登っていく。
木や草が覆い茂り、アンボセリで見た景色とは、まるで違う空間。
ジ・アーク(宿の名前)に着き、部屋に入ると....。
?!?!鍵 が な い!?!?。
窓が開けっ放しで、網戸もない!。
日本だったら、山の中のコテージって感じで、新鮮な空気を
思いっきりすいこんで、感激するとこだけど、
ここでは、虫(蚊)は命取りになる。
早速窓を閉め、持参した蚊取り線香に火をつけた。
「トン、トン」 はーい!(やっぱり日本人)
ゾウがいっぱい居るから....。
と、ガイドさんに誘われ、ベランダへ−−−。
”すご〜い!”
そこには、小さな湖(沼)の近くに、10頭以上のゾウの群。
話によると、ここの土には、塩が含まれていて、動物達が
土を食べに来るそうです。
なるほど、ゾウが器用に前足、牙を使って、土を掘っている。
そして、水を飲みに水辺へ...。
この宿は、夜間動物達が、見られるように、水辺をライトアップ
しているのです。
また部屋には、ブザーがあり、動物達が来ると教えてくれるのです。
何枚か写真を撮りましたが、暗くてピンボケ。
食事の時に、ワイン(南アフリカ産の白)をいただき、
これがヒットで、なかなか”うまい!”
部屋に帰ると、ベッドの中に、なんと!
湯たんぽが、入っているじゃないですか。
おどろきです。
ここはアフリカ、すぐそこは赤道です。
ライオンやゾウが住んでいます。
人も、黒系いや真っ黒系の人しか居ません。
そこで”湯たんぽ”です。
それも日本で、水枕に使う、赤色のゴムの奴です。
そうですよね、アフリカと言っても、山に登れば
涼しくなりますよね。
キリマンジャロにも雪が・・・・。
まあ、そんなに高くはないけど、夜はこの湯たんぽ
ありがたく感じました。
窓開けっ放しも、このくらい高いと蚊は居ないそうです。
(泥棒も高いところは、苦手なのかな?)
「ブッーブー」とブザー音。
”サイだ!” ”サイだ!” ”サイだ!”
Big5達成!
サイもやっぱり、土を食べてる。
それが、角使って、掘って居るんです。
頭の上の角、みなさん想像してみて下さい。
角で土掘ってるサイの姿を・・・。
なかなか”お茶目”です。
不器用なサイの姿に、つい笑顔になってしまう。
外はかなりの寒さで、ずっと居るのはちょっと辛い。
外で(大きなベランダ)、ふらふらしていると、
見張りのお兄さんが、話しかけてきました。
最初チンプンカンプンで全然聞き取れず。
僕の英会話力がわかったのか、簡単会話に。
すると、バッファロー参上!
それも2頭、いや茂みに何頭か居る。
この2頭なんか変?ぐるぐる回って?
見張りのお兄さんが教えてくれました。
『ファイティング!』
しばらく見ていると、いきなり☆ガツン!☆
鈍い音、何とも言えない、骨がきしむような音。
文字で表現するのは難しい。
どうも、リーダーをかけての、決闘らしい。
これはもう威嚇じゃない。
ほんとに戦っている。「ガツン!」
何回かぶつかり合い、お互いに角でしっかり受け止めている。
今度は、角を絡ませて、押し合いになった。
1頭がよろけると、そのまま押し切った。
よろけた彼は、そのまま退散。
テレビで見ていた、自然の厳しさ、ここで”実感”。
夢中でバッファローの決闘シーン見ていた事もあって、
寒さを忘れていた。
時間は午前2:00頃、かなり寒い。
もう部屋で寝ることに...ぐ〜す〜...。
”ブッブー”ブザー音
寝ぼけながら、行かなくては・・・。
見に行くとそこには、ゾウさん。
さっき見たから、もういいや。
と思いつつ、帰ろうとしたとき”キヤー”人間の声
何?何?急に目が覚めてまた現場に。
なんと、ゾウさんが”H”
でも、なんか変???。
”うわ〜!”大変!!。
ゾウ子の足が、折れてる!(変な方向に曲がってる)
さっきのキャーは、これだったのです。
ゾウさんは、5〜6トンもあるそうで、
まだ若いゾウ子には、耐えられなかったみたいで。
動けないゾウ子に、救急車は来ない。
これも、自然の厳しさなのか?
僕たちには、どうする事もできない。
”パオ〜ン”とゾウ子の痛そうな声。
ゆっくり、ゆっくり足を引きずりながら、森の中に・・・・。
ベッドの中に入っても、ゾウ子の声が、森の中から聞こえて来る。
心の中で「ごめん、ゾウ子」何もできない、自分が悲しい。
そんな傷心の中、眠りの中に・・・・。
山を下りて、ジョージさんにこの話をすると、
「彼女はどこかで、天国に行くでしょう」と言っていた。
たとえ無敵のゾウであっても、
ケガをしたまま生きていくのは....。
ジョージさんの言葉に、自然の厳しさを、改めて感じ、
僕たち人間も、この地球上では、
自然の一部だと、忘れては行けない。
この地球も、宇宙という自然の一部なのだと言うことも...。
ケガをしたままでは、地球も生きていけないと言うことも...。
次回を
お楽しみに。
”ごろーさん”