以前グリュッククラブで登ろうとして入り口を間違え(ナビのせいで?)到達できなかったので、今回再チャレンジすることにした。十数年前に聖宝寺道から登り大貝戸道に下りたことがあるので、今回もそのコースを取ろうとしたら聖宝寺道は通行禁止であった。
大貝戸道の登山口には駐車場とトイレや靴洗い場などを備えた立派な建物が建っていた。この時間、駐車場はもちろん満杯である。上り始めるとすぐ左手に神社がある。ここで登山の無事を祈っていざ登山開始である。ジグザグの急登は歩き始めにはこたえる。後ろから来た50歳くらいの女性がぶつぶつ独り言を言いながらついてくる。どうも「団体がこんな時間に登るのは非常識だ。わたしは人の後についていくのが嫌なのだ」と言っているようだ。確かに遅い時間に上り始めているが、人に文句を言われる筋合いではないだろう。
2合目までがとてもきつく感じだ。疲れた様子のわれわれに、降りてきた人が「まだまだですよ」と追い討ちをかける。立派な杉の植林を抜けたりまた入ったりしながら、ひたすら登る。「福寿草は満開ですよ」の声に励まされ、8合目の広場に到達する。
時間的にも遅れてきたのでここで食事をとることにした。 今日はキムチうどん。刺激的なにおいにつられてみんなこちらの様子をうかがっている。風もなく、日差しもきつくなくのどかなランチタイムであった。 8合目を過ぎると念願の福寿草が現れてきた。黄色い花はまさに満開である。ここまで苦労して登った甲斐があると言うものだ。花は藤原山荘までほぼ連続して続いていた。上部のカルスト地形の中にも黄色い花のかたまりが点々としている。ちょうど団体や一般の人が下山する時間なので、ものすごい人数の人が降りてくる。 山荘にはほんの数人しかいなく、下山 する人たちの喧騒と比較すると異様なくらいの静けさであった。Tさんは体調が悪いのかベンチに横たわりつらそうだった。遅くなったので山荘から藤原岳の頂上である展望丘へは行かず引き返すことにした。
8合目でコーヒータイムをしても、下りは予想以上に早く登山口に着くことができた。元気な僕が車を取りに行き、温泉を目指した。南濃温泉の「水晶の湯」は山の中腹にあり、シャトルバスで送迎してくれる変わった温泉である。沿道には桜の花が満開、乗客から歓声が上がる。そして、露天風呂から眺めた濃尾平野の夜景は感動的でさえあった。
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