中山町
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中山町 - 中山土の掘り出し
中山町の観音山の麓三ヶ所に、中山土の採掘場があります。セメントのなかった時代に、この土と石灰とを混ぜ三和土(たたき)として、各家の流しや便所の壷、土間などに大変重宝され、利用されていました。
古老の話によると、大正時代の終わりごろ(約70年前)まで掘り出していました。その土を俵に入れて男は3~4俵、女は一俵ぐらい背負い出したり、鉄輪の荷車で子供たちも先引きをしたりしました。そして小幡の河戸(こうど)へ運び出し、片川を利用して、各地に搬出されたそうです。価格は当時一表五銭位だったようです。
セメントが普及してくると、中山土はだんだん忘れられるようになりましたが、太平洋戦争当時や戦後の物資不足のころ、再び使用した人もありました。
現在は、県内の業者が、機械で採土し、乾燥して細かく砕き選別して、越前焼や瓦、土管などの原料として搬出しています。熱に強い土なので、現在も利用されているのです。